新型コロナウイルスは紙幣やスマホの表面で「最長28日間」も生存すると発表される。でも”実際の生存期間”はもっと短い?

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「新型コロナウイルスはどのくらいの持続性をもつ?」
「新型コロナウイルスはどのくらいの持続性をもつ?」 / Credit: CSIRO
reference: scitechdaily, bbc

まだまだ収束の気配を見せないCOVID-19(新型コロナ感染症)ですが、オーストラリアの研究グループ・CSIROにより新たな事実が判明しました。

10月7日付けで『Virology Journal』に掲載された報告によると、原因ウイルスのSARS-CoV-2は、紙幣や携帯電話、ステンレス表面で28日間生存できるとのことです。

以前の調査では、平均2〜3日、長くても6日とされていましたが、予想以上にしぶとい生命力を持っている可能性があります。

20度の室温で”最長28日間”も生存可能

研究チームは、平均的な室温に近い摂氏20度の環境で、紙幣や携帯電話、衣類など、日常的に手にするモノの表面に新型ウイルスを付着させて、その生存時間を調査しました。

結果、最も生存期間が長いのは、紙幣・プラスチック製のカード・携帯電話・グラス・ステンレスの表面などで、28日でした。これは同じ環境下で17日間生存するインフルエンザウイルスよりも長いです。

一方で、多孔質素材の衣類やタオルでは、生存期間が短くなり、平均14日でした。

また、室温が上がると生存期間が短くなることも分かっています。

摂氏30度では、紙幣や携帯電話は7日、衣類は3日に減り、摂氏40度では、感染力を失うのに1日もかかりませんでした。

実験に使用された人工粘液
実験に使用された人工粘液 / Credit: CSIRO

CSIRO代表のラリー・マーシャル博士は「モノ表面での生存期間を特定することで、新型ウイルスの拡散をより正確に予測し、効果的な感染予防策を取ることができる」と指摘します。

また今回の結果を受け、「手洗いや日用品の除菌をさらに徹底する必要性がある」と続けました。

実際の生存期間はもっと短い?

しかし、ウイルスの生存期間は、飛沫量や環境条件およびウイルスがどのように沈着するかで大きく変わるため、この結果が実質的であるとは言えません。

イギリス・カーディフ大学のロン・エクルス教授は「この調査結果は、環境条件が実際の状況に即していない」として疑問を呈しています。

例えば、今回の実験は、ウイルスが紫外線に当たると急速に不活性化することが分かっているため、暗闇の中で実施されています。

さらに、ウイルスの媒介物として人工粘液を使っていることも問題です。普通、ウイルスは人の新鮮な粘液の中に含まれ、それが飛沫として外部に飛びます。ところが、人の新鮮な粘液は、ウイルスを中和する抗体や白血球が含まれるため、ウイルスにとっては生存しにくい環境なのです。

なので、実際の生存期間は、調査結果より短いものと思われます。

感染を防ぐために。手洗い、マスクの着用、素手で顔を触らない
感染を防ぐために。手洗い、マスクの着用、素手で顔を触らない / Credit: bbc

いずれにせよ、私たちのすべきことは変わりません。

人混みは避けて、マスクの着用や手洗い・うがいを徹底し、なるべく素手で顔には触れず、よく触るモノをこまめに除菌しましょう。

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