最古の哺乳類は長寿命の変温動物だった⁈
最古の哺乳類は長寿命の変温動物だった⁈ / Credit: Pam Gill
paleontology
phys https://phys.org/news/2020-10-ancient-tiny-teeth-reveal-mammals.html, scitechdaily https://scitechdaily.com/pioneering-analysis-of-200-million-year-old-teeth-reveals-first-mammals-lived-more-like-reptiles/

2021.01.27 Wednesday

2020.10.14 Wednesday

人類最初の先祖は”長寿命の変温動物”だったと判明! 新たな化石調査から紐解かれる歴史

約2億年前の歯の化石から、最古の哺乳類は、現生の近縁種(ネズミ)よりはるかに長寿命だったことが判明しました。

さらに、10月12日付けで『Nature Communications』に掲載された報告によると、今日の哺乳類とは違い、爬虫類と同じ「変温動物」だったとのことです。

初期哺乳類の生態を化石から直接調査したのは今回が初であり、人類の最初の祖先についての予想が覆された結果となっています。

研究は、イギリス・ブリストル大学とフィンランド・ヘルシンキ大学により発表されました。

近縁のネズミより寿命が10年も長い

研究チームが調べたのは、最古の哺乳類とされる「モルガヌコドン」「ケネオテリウム」の歯の化石です。

ともに現生のネズミに最も近く、専門家たちは長い間、暖かい血を持つ「恒温動物」だと考えていました。

この小さな哺乳類は、洞窟や岩の穴場に落ちたものが化石化しており、発見された個体数もかなり多いです。

本調査では、約200本の歯をX線分析にかけ、寿命や生態を調べました。

歯の年輪から寿命がわかる
歯の年輪から寿命がわかる / Credit: Nuria Melisa Morales Garcia
近縁のネズミより寿命が明らかに長い
近縁のネズミより寿命が明らかに長い / Credit: nature

対象となったのは、歯根を歯のソケットに固定する役割を持つ「セメント質」で、生涯を通じて木の年輪のように成長し続けるため、そこから寿命を割り出すことができます。

その結果、モルガヌコドンの平均寿命は14年で、ケネオテリウムは9年と判明しました。

これは現生のネズミの寿命が1〜2年であることを考えると、驚くべき長さです。

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