爬虫類のように低エネルギーで生きていた?
また、モルガヌコドンの大腿骨から血管の太さや血流量を調べると、外界の温度で体温が変化する「変温動物」であることが特定されました。
変温動物は、いつも外気温と同じくらいの体温でいるため、エネルギーの消費量が少なくて済みます。反対に、恒温動物は、常に一定の体温を保つのでエネルギー消費量は高いですが、同時に行動能力も上がります。
これとは別に、モルガヌコドンの血流量は、同サイズのトカゲよりわずかに高く、現生の哺乳類よりはずっと低いことが判明しました。
このことから、研究主任のエリス・ニューハム氏は「最古の哺乳類は、爬虫類のようにスローペースで生きていたが、採餌や狩りに必要な最低限の行動力は持っていたのではないか」と推測します。
一方で、骨格や頭蓋骨など、それ以外の特徴は現生の哺乳類とほぼ同じでした。脳も比較的大きかったので、高い行動能力を持っていたと思われますが、本人たちはそれほど活発には動かなかったようです。
頑張りすぎないのも長生きの秘訣なのかもしれませんね。