海中に沈んだエジプトの砂漠! ジュゴンから見る過去の地球

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ジュゴン
ジュゴン / Credit: ja.wikipedia
reference: livescience

カイロ大学は13日、今日のエジプト付近が、約4000万年前に水棲哺乳類・ジュゴンの遊泳地になっていたと発表しました。

本研究は、エジプト東部の砂漠地帯で昨年見つかったジュゴンの化石をもとにしており、同地は、約4000〜3500万年前の始新世後期に、ジュゴンが住めるような海域になっていたと思われます。

研究は、COVID-19の影響で遠隔開催となった「古脊椎動物学会 」の年次報告会にて発表されました。

エジプトは数千万年前まで海の中にあった?

発見されたジュゴンの化石は、椎骨、肋骨、脚骨が含まれており、ほぼ成体に達していた個体と見られます。

また、ジュゴンの化石が砂漠地帯で見つかるのは初めてではありません。

以前にも、始新世〜漸新世(5600〜2300万年)の時代に遡るジュゴンの骨が、エジプトのカイロ南西部や西砂漠のファユム地域で見つかっています。

発見されたジュゴンの椎骨
発見されたジュゴンの椎骨 / Credit: Cairo University

今日のジュゴンは主に、インド洋や西大西洋、紅海の沿岸部に生息し、海藻を食べて生きています。

このことから、数千万年前のエジプトは海の中にあり、海藻が豊富に繁殖して、ジュゴンが暮らすのに最適な環境だったと推測されます。

そして、死んだジュゴンの遺体が海底に沈み、時とともに海が干上がって砂漠となり、今日の化石発見に至るのでしょう。

ジュゴンの脚骨の一部
ジュゴンの脚骨の一部 / Credit: Cairo University

かつてのジュゴンは陸上に住んでいた

現生するジュゴンの祖先は、クジラと同様、海に引っ越しする前は陸上生活を送っていました。

現時点で最古のジュゴンとして知られる「ペゾシーレン」は半水棲で、陸上生物と同じように前後の手足を残していたことが分かっています。

そのときに草食だった名残で、海に移動した後も海藻が主食となり、魚は食べないのでしょう。

最古のジュゴン目「ペゾシーレン」の骨格
最古のジュゴン目「ペゾシーレン」の骨格 / Credit: ja.wikipedia

食生活に大きな変化はなかった反面、時間の経過とともに前足はヒレになって、後ろ足は完全になくなりました。これはクジラも同じことです。

ジュゴンは、海藻が豊富な場所を住処にするため、陽のあたりが良い浅瀬に生息します。そのおかげで、遺骨が沿岸部の海底に保存され、海に近い陸地で化石が発見されやすいのです。

専門家たちは「ジュゴンの化石は、過去の地球環境を詳しく知るための貴重なサンプルとなる」と話しています。

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