人体の自然発火はありうるか?
人体の自然発火はありうるか? / Credit: ancient-origins
chemistry

人体の”自然発火”はありえるのか? 最も有力な「ロウソク効果」を解説 (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.10.25 Sunday

前ページ「人体自然発火」に見られる共通点

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最も可能性高い「ロウソク効果」とは?

諸説ある中で、科学的に最も支持されているのは「ロウソク効果(英: wick effect)」と呼ばれるものです。

これは被害者の体を一種のロウソクに例えます。

通常のロウソクは、内側の芯(英: wick)が燃えやすい脂肪酸でできたワックスで覆われており、そこに着火すると、脂肪分の多いワックスのおかげで火が消えずに燃え続けます。

ロウソク効果
ロウソク効果 / Credit: ancient-origins

これを人体に置き換えると、体脂肪が可燃性物質(ワックス)に、衣服や毛髪が芯(wick)になります。

例えば、衣服にタバコの残火がつくと、皮膚表面を焦がして内部の脂肪を放出させます。それが熱で溶けて衣服に吸収されると、ワックスのような働きをして、火が燃え続けることになるのです。

人体発火において周囲の家具が燃えないのは体脂肪にのみ着火するからで、手や足先が残りやすいのは十分な脂肪分がないためと言われます。

そして、体に火がついても被害者が起きないのは、アルコール中毒で昏睡状態にあるからと見られます。

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