多孔質の膜。ハチの巣状になっており、通気性がある
多孔質の膜。ハチの巣状になっており、通気性がある / Credit:felice frankel
chemistry

「空気中からCO2だけを取り除く膜」が登場! 地上の”温室効果ガスを捕獲できる可能性”あり (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.10.21 Wednesday

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ガスゲーティングメカニズムのメリット

走査電子顕微鏡による膜画像
走査電子顕微鏡による膜画像 / Credit:T. Alan Hatton

ちなみに、このガスゲーティングメカニズムは従来のメカニズムでは難しかった連続稼働が可能です。

仕組みを見ると分かるように濃度100%のCO2を排出したあと、そのまま低濃度のCO2の吸収を行うことができます。これにより切り替えによる稼働停止が生じません。いつでも片方のセクションがガスを吸収する役目を果たし、もう片方がガスを放出する役目を果たせるのです。

そしてこの連続性は、電流の極性により膜中を移動できる金属膜ガスゲートによってのみ実現可能です。

加えて、この金属膜は他の素材と比べてガスバリアとしての高い効果を発揮し、安価で豊富に存在している亜鉛が材料になっています。

さらに電気を用いた金属膜の形成法は、膜を維持するためのエネルギーが必要ないというメリットもあります。膜を切り替える時のみエネルギーが必要なのです。

さて、今回開発されたガスゲーティングメカニズムは、排気ガスや空気からCO2のみを容易に分離させることができるので、様々な技術への応用が可能だと思われます。

将来、この膜のメカニズムを利用したCO2コントロールが環境問題の改善に役立つかもしれませんね。

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