「働きアリ」は羽がないことで強くなった?
「働きアリ」は羽がないことで強くなった? / Credit: Philip Hönle
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働きアリは”羽を失うこと”と引き換えに驚異的な強さを手にしていた! (2/2)

2021.08.27 Friday

2020.10.20 Tuesday

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働きアリの強さの秘密を解明!

そこで研究チームは、「羽のない働きアリ」と「羽を持つ女王アリ」を用いて、X線分析を行い、全身の解剖学的構造を高い解像度でスキャンしました。

スキャンデータをもとに、すべての筋肉部位をマッピングし、3Dで再構築しています。

こうして得られた胸部内側の全体像を、他種のアリや羽のない昆虫とも比較しました。

働きアリの胸部の筋肉
働きアリの胸部の筋肉 / Credit: OIST

その結果、働きアリは羽に必要な筋肉を失くしたことで、胸部内の筋肉を増強、再編成していたことが判明しました。

特に3つの筋肉群の体積がはるかに拡張されており、それが強靭なパワーに繋がっていると見られます。また、首の筋肉にも変化があり、頭部を支えて自在に動かせるようになっていました。

同チームのクリスチャン・ピーターズ博士は「働きアリでは、胸部内のすべての筋肉が小さな空間に美しく再統合されていた」と述べています。

女王アリの場合、翅のための筋肉(紫)が胸部の大部分を占める
女王アリの場合、翅のための筋肉(紫)が胸部の大部分を占める / Credit: OIST
働きアリの胸部は、多様な筋肉で再編されていた
働きアリの胸部は、多様な筋肉で再編されていた / Credit: OIST

胸部内の筋肉は、頭や足、下腹の動きにも深く関係し、高い身体能力を実現するための重要な場所となっています。

同チームは次のステップとして、アゴや脚部についても同様の調査を行い、働きアリの能力をより詳しく解明する予定です。

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