海を横断してイベリア半島にやって来た?
しかし、川や沼を本拠地にするワニが、どうやってアフリカからイベリア半島まで移動したのでしょうか。
ルハン氏は「アフリカとイベリア半島が陸続きになる前に海を泳いで横断した」と推測します。
この仮説は根拠のないものではありません。
例えば、東南アジア〜オーストラリア沿岸に広く分布する「イリエワニ」は、海水を泳いで島から島へ移動できます。以前行われた追跡調査では、イリエワニが海流に乗って、約1ヶ月で500キロを移動したことが報告されています。

また最近の研究では、アフリカ起源の古代ワニが大西洋を泳いで南北アメリカ大陸に移動していたことが分かっています。
アメリカへの横断に比べれば、イベリア半島はワニにとって”最寄りの島”程度だったかもしれません。