とうもろこしが”消化されない”のは、なぜ?コーンを食べるメリットはあるのか

とうもろこし。
とうもろこし。 / Credit:depositphotos
reference: livescience

トイレで大きい方をした後、自身の作品を鑑賞される方なら誰でもご存知の通り、とうもろこしはまるで消化されずそのままの形を保って体外へ排出されています

とうもろこしは消化器系を無傷のまま通り抜ける術を持っているのです。

そんなうまく消化されない食べ物は、そもそも食べていいものなんでしょうか?

色々と疑問が浮かぶ消化できないとうもろこしの秘密を解明していきます!

消化器系を生き延びるとうもろこしの秘密

とうもろこしの穀粒
とうもろこしの穀粒 / Credit:pixabay

とうもろこしを食べた後の便には、黄色い粒がそのまま含まれているので、とうもろこしはまるで消化できていないと感じてしまうかもしれません。

しかし、実際にはそれはとうもろこしの穀粒の外側のコーティングに過ぎません。

私たちが食べているとうもろこしの穀粒は、植物にとって重要な遺伝子を運ぶ種子の部分です。種子は天候や害虫、あらゆるものから遺伝物質を守らなくてはなりません。

そのためのコーティングがあの黄色い粒なのです。

種子が分解しにくいということも植物にとっては重要なことです。そのため、とうもろこしの外側の殻は消化できずにそのまま出てくるのです。

正体はセルロース

セルロースの構造式。
セルロースの構造式。 / Credit:Wikipedia

とうもろこしのコーティングは、セルロースと呼ばれる丈夫な繊維でできています。このセルロースを消化するための適切な酵素や腸内細菌は、人間の中にはありません

セルロースの消化に関しては、牛などの反芻動物(はんすうどうぶつ)がはるかに高い能力を持っています。そんな彼らでも完全にとうもろこしを消化できるわけではありません。

ちなみに反芻動物とは、食べたものを口と胃で往復させながら、時間をかけて咀嚼と消化を繰り返す動物のことです。

そんな牛もとうもろこしを食べると、その糞の中に粒が残ってしまっています。研究者は糞の中からそんなとうもろこしの粒を取り出して、栄養成分を分析するというちょっと汚い実験もしていますが、その結果「栄養はかなり消化されていることがわかった」といいます。

セルロースはとうもろこしの約10%しか占めていません。そのため残りの90%は有用な栄養でできています。これは食物繊維やでんぷん、それにとうもろこしや人参などの野菜に鮮やかな色を与えているカロテノイドなどです。

ただ、2019年の研究では、とうもろこしのカロテノイドは他の野菜に比べて少なめという報告がされています。

野菜の鮮やかな色は栄養素カロテノイドによるもの。
野菜の鮮やかな色は栄養素カロテノイドによるもの。 / Credit:pixabay

つまりいつも便に残っているのは、僅かなコーティング部分だけであって、中の栄養はちゃんと消化され私たちの身体に吸収されているのです。

加工された場合、とうもろこしは完全に消化できるものに変わります。コーン油やチップ、ポップコーン、コーンシロップなど加工すれば完全に消化して食べることも可能です。

しかし、消化しやすくなったからといって、これらが健康に良いかというと疑問があります。

加工された製品は、その過程で有益な繊維や栄養素のほとんどを失っています。

便にとうもろこしの粒が残っているのはなんだか嫌な感じもしますが、これは健康的な形できちんととうもろこしの栄養を吸収できているという証拠なのです。

それでもなんか嫌という人は、研究者のアドバイスによると、よく噛めば便にも残らなくなるということなので、試してみるのもいいでしょう。

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