”新種・ゴラムスネークヘッド”のために新しい「科」が創設される!「ここ10年で最重要の発見」

新種の「ゴラムスネークヘッド」
新種の「ゴラムスネークヘッド」 / Credit: Ralf Britz / Naturhistorisches Museum Bern

インド南部で昨年発見された淡水魚が、新しい「科」に分類されることが判明しました。

竜のような見た目とライギョ(英: Snakehead)に近縁であることから、新たな科は「ドラゴンスネークヘッド」と命名されています。

ドイツ・ゼンケンベルク自然史博物館で研究主任のラルフ・ブリッツ氏は「魚類で新たな科が創設されるのは珍しく、ここ10年で最重要な発見となった」と指摘しています。

研究は、9月30日付けで 『Scientific Reports』に掲載されました。

魚の名前は『指輪物語』のキャラクターに由来

分類学における「科」は種や属の上に当たるカテゴリーで、例えば「ヒト科」には、ヒト属、チンパンジー属、オランウータン属などがあり、その下にホモ・サピエンスやネアンデルタールが種として位置します。

魚類の発見は、研究チームのラジーブ・ラガバン氏がインドのSNS上で偶然見つけた写真がきっかけとなりました。見たこともない姿形をしており、当初は種や属も不明だったといいます。

その後、ラガバン氏とブリッツ氏は、その魚が採取できるというインド南部に出向き、多くの標本を採取しました。

正体不明の魚類を探すラガバン氏とブリッツ氏
正体不明の魚類を探すラガバン氏とブリッツ氏 / Credit: Unmesh Katwate

この魚は地下の帯水層に生息しており、普段は人目につくことがありません。一方で、洪水で地下水が氾濫したときに、地上に姿を現します。

成魚の体長は約10センチで、細長い竜のような体をしていました。

両氏は、J.R.R.トールキンの『指輪物語』に出てくる地下に住むキャラクターから、「ゴラムスネークヘッド(学名: Aenigmachanna gollum)」と名付けています。

新たに発見された「ゴラムスネークヘッド」
新たに発見された「ゴラムスネークヘッド」 / Credit: Unmesh Katwate

新たな「科」が誕生!地下暮らしなのに”目や色”がある理由は?

研究チームが、ゴラムスネークヘッドの遺伝子や体の仕組みを分析した結果、この魚は種や属だけでなく、これまでに記録のない「科」に分類されることが分かりました。

先述した通り、新しい科は「ドラゴンスネークヘッド」と命名され、現在のところゴラムスネークヘッドを含む2種が発見されています。

「ゴラムスネークヘッド」の骨格
「ゴラムスネークヘッド」の骨格 / Credit: nature

また遺伝子分析によると、ドラゴンスネークヘッドは今から約1億2000万年前のアフリカとインド亜大陸が分かれる頃に、最も近縁のライギョと分岐したと見られます。

他方で、この魚たちは陽の当たらない地下に暮らすにもかかわらず、目や赤茶の体色を持っていました。一般に地下や洞窟にいる淡水魚は目を持たず、体色も白いものが多いです。

これについて、ブリッツ氏は「この魚たちが、洪水時に地上に現れるように、常に地下だけにいるわけではないからでは」と推測します。

まだ謎も多く残されていますが、これから新しい科の代表として大いに注目が集まりそうです。

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