ラクダのコブの中身は「水」じゃない。 砂漠での飲まず食わずに耐えるコブの使い方とは?

ラクダの「コブ」にはどんな働きがある?
ラクダの「コブ」にはどんな働きがある? / Credit: pixabay
reference: livescience

ラクダは、灼熱の砂漠地帯でも水や食料なしで長時間生きることができます。

その秘密は背中の「コブ」にあるのですが、その中身は古くから「水が詰まった貯水タンクになっているのではないか」と言われてきました。

しかし専門家の研究により、コブの中身は水でないことが分かっています。

一体、ラクダはコブをどのように利用しているのでしょうか。

コブの中身はエネルギー源

ラクダのコブは主に「脂肪分」からなり、その重量は50キロ近くにおよびます。

ラクダは食物があるときに十分に食べておいて、そのカロリーを蓄積してコブにします。

コブが目一杯になれば、何も食べずに4〜5ヶ月生きられるそうです。

しかし、コブの中の脂肪分を消費しつくすと、それに応じてコブもしぼんでしまいます。

すると一から食物を摂って、再びコブを膨らませないといけません。

ラクダのコブの中身(脂肪分)
ラクダのコブの中身(脂肪分) / Credit: ja.wikipedia

また、コブには「水分をつくる働き」もあります。

コブの脂肪分には水素が含まれており、これが体内の酸素によって燃焼されることで、エネルギーと同時に少量の水をつくり出すのです。

だいたい50キロの脂肪を燃やすと、53リットルの水が得られます。

ところが、体重が500キロ近くもあるラクダにとってはこの水分量でも十分ではありません。

そこで脂肪の燃焼とは別に、ラクダは体内で上手に水分調節をするのです。

水なしで長期間生きられる秘密とは?

コブの役割は主に食物の代わりとなるエネルギー源なので、水分補給には別の対策が必要です。

そのひとつに「体温調節」がありますが、ラクダは気温の高い日中に熱をため込んで体温を40度くらいまで高めます。

そして、気温がぐっと下がる夜間に蓄えた熱を放出します。

この仕組みのおかげで、できる限り汗を流さず水分を体内にとっておけます。

中央アジアに分布する「フタコブラクダ」
中央アジアに分布する「フタコブラクダ」 / Credit: ja.wikipedia

それからラクダは水分量の減少に強く、体重の3分の1の水分がなくなっても大丈夫。その間に見つけたオアシスなどの水源で、大量の水を体内にため込みます。

一度の摂取量はなんと100リットルを超えるそうです。

他にも、腎臓の働きで塩分の減少を抑えて熱中症を防いだり、乾燥した便を排泄することで水分を節約したり、鼻呼吸のたびに水分を取り込んだりと色々な対策をしています。

ですから、貯水タンクの役目はコブではなく体が請け負っているのです。

「コブに水が溜め込まれている」という都市伝説は、ラクダが水なしでも長期間平気なところから生まれたのでしょう。

しかしその裏には、水を節約しようとする涙ぐましい努力が隠されていたのです。

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