現時点で根絶はほぼ不可能
今回調査を行ったフランドル自然・森林研究所(INBO)によると、最初に墓地周辺で数百匹のザリガニが見つかってから、個体数が爆発的に増加しており、アントウェルペンの他地域でも目撃情報が相次いでいます。
ミステリークレイフィッシュの全長は10センチほどで、夜間に半径2キロの距離まで移動し、深さ1メートルの穴を掘ることができます。
食べられるものなら何でも口にするため、地元の生態系にとっては危険な存在です。
さらに、単為生殖のせいで増殖スピードが速く、遺伝的にすべて同一であるため、最初の群れがどこから来たのかを突き止めることもできません。
研究チームのケビン・シーアーズ氏は「おそらく、自宅で飼っていた個体が自己増殖でどんどん増えてしまい、飼い主が野生に放してしまったのでしょう」と指摘します。
また「すべての個体を見つけ出すのは不可能で、効率的に駆除する方法も存在しない」といいます。スペインでは毒物を使った駆除実験が試みられていますが、ベルギーでは認可されていません。
ヨーロッパでは2014年に、ミステリークレイフィッシュの取引や生産、輸出、遺棄などが全面的に禁止されています。