人間は恐怖で遊ぶ度し難い生き物である
人間は恐怖で遊ぶ度し難い生き物である / Credit:pixabay
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快楽を最も感じる「恐怖の種類」とは?お化け屋敷の研究で明らかに

2021.01.27 Wednesday

2020.11.01 Sunday

eurekalert https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-10/afps-hhr102620.php, JOURNAL OF CONSUMER RESEARCH https://academic.oup.com/jcr/article-abstract/34/3/283/1798846

人間はほどほどの恐怖を楽しむ生き物のようです。

『Psychological Science』に掲載されたお化け屋敷を舞台にした論文によれば、人間は特に「中程度の恐怖」を最も好む傾向があったとのこと。

ちっぽけな恐怖と怖すぎる恐怖は、どちらも楽しさを上手く発生させることができなかったようです。

なぜ人間は調節された恐怖に最も魅力を感じるのでしょうか?

恐怖と快感は脳の同じ部位からうまれる

恐怖と快感の生じる場所はほとんど同じ
恐怖と快感の生じる場所はほとんど同じ / Credit:pixabay

ホラー映画、ジェットコースター、お化け屋敷など、人間は恐怖を与えてくる体験に自らを積極的に投じ、快楽を覚えます。

一方、恐怖の研究が進んでいるマウスをはじめ、犬や猫といった動物にとって、恐怖は単に恐怖であり、快楽とは無縁です。

なぜ人間だけが恐怖を楽しむのでしょうか?

近年になって行われたいくつかの研究は、人間のこの不思議な性質を解き明かしてきました。

鍵となるのは、哺乳類のに広く存在する小脳扁桃と呼ばれるアーモンド型の神経塊です。この小脳扁桃は、現実であっても虚構であっても恐怖によって活性化します。

つまりヒトに進化する前の私たちの先祖もまた、恐怖は恐怖として区別なく反応していたのです。

しかしヒトに進化する過程で、私たちの小脳扁桃はバージョンアップが行われ、恐怖を感じると同時に快感もうみだすようになります。

結果、ヒトにとって恐怖と快楽はコインの表と裏となり、どちらかを感じると、もう一方も同時に発生するようになってしまったのです。

またこの快楽との結びつきは恐怖だけではなく、ギャンブルなどに代表される喪失や損失、さらに痛みとも結びついていることも判明します。

人間にとって、恐怖・損失・痛みは快楽の裏返しになっているのです。

しかしどうして人間はこんなにも「ドM」になってしまったのでしょうか?

次ページ恐怖に快楽で立ち向かう

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