2つの刺激がコマンドとなり、後退運動を促す
2つの刺激がコマンドとなり、後退運動を促す / Credit:榎本 和生
biology

「嫌な相手から素早く逃げる」ための脳神経回路を発見! 生物の行動選択のメカニズムが解明されるかも (2/3)

2021.01.28 Thursday

2020.11.08 Sunday

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ショウジョウバエの幼虫の脳はどのように行動選択しているのか

ショウジョウバエ幼虫の逃避パターン
ショウジョウバエ幼虫の逃避パターン / Credit:高坂洋史

では、ショウジョウバエの幼の行動選択はどのように行われているのでしょうか?

ショウジョウバエの幼虫の脳は非常にシンプルです。人間のように視覚や聴覚、触覚すべてから状況を把握し、複雑な思考によって「今回は横に避けよう」とか「この場合は後ろに下がったほう早い」などとは考えないでしょう。

そのため研究者たちは、ショウジョウバエの幼虫には「特定の刺激に対応する固定的な行動パターンが存在する」と考えてきました。

つまり、「ある刺激に対しては前進運動で避ける」「別の刺激に対しては後退運動で避ける」という神経回路が生まれながらに組み込まれているというのです。

そして今回、チームは新しい研究によって、ショウジョウバエの幼虫に後退運動を引き起こさせる「後退神経細胞群」の同定に成功しました。

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