ショウジョウバエの幼虫の脳はどのように行動選択しているのか
では、ショウジョウバエの幼虫の行動選択はどのように行われているのでしょうか?
ショウジョウバエの幼虫の脳は非常にシンプルです。人間のように視覚や聴覚、触覚すべてから状況を把握し、複雑な思考によって「今回は横に避けよう」とか「この場合は後ろに下がったほう早い」などとは考えないでしょう。
そのため研究者たちは、ショウジョウバエの幼虫には「特定の刺激に対応する固定的な行動パターンが存在する」と考えてきました。
つまり、「ある刺激に対しては前進運動で避ける」「別の刺激に対しては後退運動で避ける」という神経回路が生まれながらに組み込まれているというのです。
そして今回、チームは新しい研究によって、ショウジョウバエの幼虫に後退運動を引き起こさせる「後退神経細胞群」の同定に成功しました。