コロナ禍で温度計ガンが活躍
コロナ禍で温度計ガンが活躍 / Credit:depositphotos
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非接触「温度計ガン」で体温が測れる仕組みとは?

2021.01.27 Wednesday

2020.11.08 Sunday

新型コロナウイルスの感染を防ぐため、あらゆる場所で体温を瞬時に測る必要が生じてきました。

そのため空港や職場、イベント会場などで非接触型の温度計ガン(赤外放射温度計)が活躍しています。

これまではマイナー機器だった温度計ガンが爆発的に普及したため、その仕組みに疑問を抱く人も多いでしょう。

科学情報サイト『ScienceABC』はこれに応じ、温度計ガンの仕組みについて解説しています。

scienceabc https://www.scienceabc.com/innovation/how-does-a-temperature-gun-infrared-thermometer-work.html

人間は赤外線を放出している

温度計ガンの正式名称は「赤外放射温度計」であり、赤外線を測定する装置です。

そもそも、人間を含むすべての物体は絶対零度(-273.15℃)以上の温度を有しており、熱放射の形で熱を放出しています。

人間は赤外線として熱放射している
人間は赤外線として熱放射している / Credit:depositphotos

この「絶対零度以上の温度」では、原子が一定の運動状態にあり、運動エネルギーを持っています。そして温度が高いほど、原子や分子がもつ運動エネルギーも大きくなります。

またエネルギーが通常よりも高い、励起(れいき)された原子の電子がある軌道から別の軌道にシフトすると、電磁波としてエネルギーが放出されるのです。

このように運動エネルギーと物質中の電子の動きにより放出される電磁波は、熱放射に分類されます。

ちなみに発生源の温度によって放射される電磁波の波長が異なります。太陽などの高温物体からは主に可視が放出され、人間や動物などからは赤外線が放出されているのです。

しかも、この赤外線放射量は物体の温度が高いほど多く、温度の4乗に比例するシュテファン=ボルツマンの法則
)とのこと。

そしてこの赤外線放射量の違いを画像にしたのが赤外線サーモグラフィであり、温度という数値に変換したのが「赤外放射温度計」なのです。

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