デコボコは修復中にできた「ストレス反応」か
小胞が形成された正確な理由はまだ分かっていませんが、いくつかの仮説があげられています。
まず、細菌は、宇宙環境への曝露から急速に修復する中で極端なストレス反応を示し、そのせいで無数の小胞ができました。ストレス生成物を作り出すことで、細胞の生存率が高まったと見られます。
加えて、小胞には、栄養源の獲得やDNA転移、クオラムセンシング(集団感知)分子の輸送に重要なタンパク質が含まれており、回復後の耐性機構の活性化を誘導している可能性がある、とのことです。
ウィーン大学のテチアナ・ミロジェビッチ氏は「この結果は、生命が宇宙という過酷な環境に適応する方法について示唆を与え、地球外に生命が存在する仕組みを理解するのに役立つ」と指摘しました。
また、微生物の生存可能性は、他の天体で誕生した生命体が宇宙空間を漂って地球に到達したという「パンスペルミア説」を後押しします。
この説が真実だとすれば、生命は予想以上に宇宙にあまねく広がっているのかもしれません。