さまざまな栄養素のビタミン剤。
さまざまな栄養素のビタミン剤。 / Credit:depositphotos
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マルチビタミンは「健康になった気がするだけ」という新しい研究が報告される

2021.01.28 Thursday

2020.11.13 Friday

medicalxpress https://medicalxpress.com/news/2020-11-multivitamin-multimineral-users-self-report-health.html,「代替医療解剖」 https://www.amazon.co.jp/dp/B01N2WEPWB/ref=dp_kinw_strp_1/356-7113529-5386313

乱れた食生活で偏りがちな栄養素は、マルチビタミンで補給しているから大丈夫。

そんな考え方をしている人は、多いのではないでしょうか。しかし、サプリメントの錠剤で本当に健康は保証されるのでしょうか?

ハーバード大学を始めとした医学研究チームがイギリスのオープンアクセス医学ジャーナル『BMJ Open』で11月4日に発表した新しい研究では、アメリカ全体で大規模に行われた健康調査から、マルチビタミン利用者と非利用者を比較したところ、測定可能な健康上の違いは見られなかったと報告しています。

しかし、これは本当にマルチビタミンが無意味であることを示しているのでしょうか? 普段マルチビタミンを利用している人は、そんな話信じたくないという人も多いでしょう。実はこうした研究にはいろいろと難しい問題が絡んでいるのです。

>参照元はこちら(英文)

健康上は無意味? マルチビタミンのメリット

体に必要なさまざまな栄養素の詰まったカプセル。
体に必要なさまざまな栄養素の詰まったカプセル。 / Credit:depositphotos

マルチビタミンは、身体の維持に必要とされるさまざまな栄養素の詰まった栄養補助食品として販売されています。

アメリカでは、マルチビタミン・ミネラル(MVM)を定期的に摂取している人は全人口の33%に達するという報告があります。

栄養素の欠乏は、さまざまな病の発症と関連すると言われているので、マルチビタミンの摂取によって栄養の偏りを解消することは、自然な行為と考えている人も多いでしょう。

しかし、医学の世界ではマルチビタミンが健康にとって本当に意味のあるものか疑問の声が上がっています。

過去にさまざまな検証が行われていますが、その多くがマルチビタミンの摂取による優位な健康上の違いを見いだせないと報告しているのです。

例えば2017年の研究では、高齢の男性医師を対象に長期間のマルチビタミン利用によるランダム化プラセボ対照試験を実施した結果、心疾患、心筋梗塞、卒中の死亡率の低下は見られなかったと報告しています。

ランダム化プラセボ対照試験とは、体格や性別に関係なくランダムに選んだ人々を、本物の薬を与えるグループと偽薬(プラセボ)を与えるグループに分けて、それぞれに現れる効果を比較する試験です。

これは一般集団を対象に行なった調査でも同様で、米国予防医療専門委員会は、心疾患などの予防にマルチビタミンは推奨しないと言っています。

成人の認知機能に対する影響でも、これは同様に効果がないと2013年の研究で報告されています。

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