環境によって手足のメリット・デメリットが逆転
研究チームは、この謎を解明するべく、フィリピンとタイに生息する13種のブラキメレス属(足を取り戻した種と失ったままの種)を約150匹採捕し、環境の異なる土壌コースでの走行・穴掘りテストを実施しました。
目的は、手足の有無のメリット・デメリットが、環境の違いでどう異なるかを明らかにすることです。
その結果、手足のないトカゲは、乾燥した土壌でより高い移動性を示すことが判明しました。穴を掘るのも、乾いた砂地ではヘビのように頭部から潜り込む方が便利なようです。
反対に、手足のあるトカゲは湿った土壌で移動性に優れ、湿地の上を走るには4つ足が有効であることを示しています。
また、硬く湿った土を掘るには、乾いた砂地の4倍の力が必要なため、スコップの役割をする四肢が有効でした。
同チームは「ブラキメレスの一部は、生息域の湿度が高くなったことで足を再進化させたのではないか」と述べています。
中途半端に手足が生えた種も気候変動に合わせて再進化している途中なのかもしれません。