絶海の孤島を「地球最大の生態系スポット」にするプロジェクトが進行中

トリスタン・ダ・クーニャ島
トリスタン・ダ・クーニャ島 / Credit: Andy Schofield/RSPB/PA

大西洋に浮かぶ孤島トリスタン・ダ・クーニャ(Tristan da Cunha)」を地球最大級の生物保護区にするプロジェクトが進行中です。

イギリスの海外領土であるこの島は「世界一孤立した有人島」としてギネスブックに載っており、最も近い陸地でさえ2400キロ離れています。

本プロジェクトでは、島の周囲約68万平方キロを保護区に指定し、島民以外の立ち入りや漁業、海底探鉱など、一切の活動を禁止する予定です。

詳しい概要は、11月10日付けで『PNAS』に掲載されています。

>参照元はこちら(英文)

世界最大の”生態系のホットスポット”に

トリスタン・ダ・クーニャは、南大西洋にポツンと浮かぶ孤島で、約2400キロ北にセントヘレナ島、約2800キロ西にケープタウンがあります。

島には250名ほどの島民が生活しており、豊かな生態系を守っています。

アホウドリやイワトビペンギン、アザラシ、クジラ、サメなど、動物相が豊富で、生態系の保護にとっては理想的な場所です。

島に生息するイワトビペンギン
島に生息するイワトビペンギン / Credit: Andy Schofield/RSPB/PA
アザラシ
アザラシ / Credit: Andy Schofield/Pew Charitable Trust
アホウドリ
アホウドリ / Credit: Andy Schofield/Pew Charitable Trust

島民総代のジェームズ・グラス氏は「私たちの生活はずっと海との関係を基盤にしてきましたし、それは今も変わりません。島のコミュニティは環境保全と深く関わっており、すでに陸地の半分以上が保護区域となっています。

「また、​海は私たちの重要な資源であり、島の経済、ひいては島民の将来的な生活にとって欠かせません。現時点で、島周辺の約90%の海域を完全に保護しており、世界的な海洋保全にも貢献していきたいと考えています」と話しました。

イギリス「2030年前に世界の30%の海を保護」

島唯一の集落「エディンバラ・オブ・ザ・セブン・シーズ」
島唯一の集落「エディンバラ・オブ・ザ・セブン・シーズ」 / Credit: Andy Schofield/Pew Charitable Trust

​トリスタン・ダ・クーニャ政府が主導するプロジェクトには、イギリス政府やRSPB(英国王立鳥類保護協会)、プリマス大学、ロンドン自然史博物館など多くの機関が参加しています。

イギリス政府は現在、「ブルーベルト・プログラム(英: The Blue Belt Programme)」という海洋保護運動を進めており、すでに世界の海洋の1%を保護することに成功しました。

同政府は、2030年までに世界の海洋の30%の保護を達成できるよう世界各国に呼びかけています。

島周辺の海底の様子
島周辺の海底の様子 / Credit: Andy Schofield/Pew Charitable Trust
島周辺の海中
島周辺の海中 / Credit: National Geographic

ボリス・ジョンソン首相は「人類の活動は海を死に追いやっています。海水の温度や酸性度は年々高まり、増え続けるプラスチックゴミのせいで膨大な数の生物が命を落としています。

先祖から受け継いだのと同じくらい美しく素晴らしい海を後世に残すには、世界規模での協力が必要不可欠です」と話しています。

本プロジェクトは、その目標を達成するための大きなステップとなるでしょう。

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