形成されつつある星系の原始惑星に隕石が膠着している様子。
形成されつつある星系の原始惑星に隕石が膠着している様子。 / Credit:NASA/FUSE/Lynette Cook
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太陽系の形成は「たった20万年」という短い期間で行われた可能性がある

2021.01.27 Wednesday

2020.11.17 Tuesday

太陽系は私たちが考えるよりも、ずっと短い期間で素早く形成されていた可能性があります。

11月13日に科学雑誌『Science』にて発表された新たな研究では、太陽系は20万年という短期間で形成されたことが隕石の分析から明らかになったと報告しています。

これは太陽系を人間の一生に合わせて比較した場合、10カ月間と考えられていた妊娠期間が、12時間だったというのと同じくらいのとんでもない速度だといいます。

>参照元はこちら(英文)

LLNL https://www.llnl.gov/news/solar-system-formed-less-200000-years

想像よりずっと速い 太陽系の形成

初期の星系イメージ。塵とガスによる降着円盤が原始太陽(前主系列星)を囲んでいる。
初期の星系イメージ。塵とガスによる降着円盤が原始太陽(前主系列星)を囲んでいる。 / Credit: NASA/JPL

はるか昔、およそ45億年前に太陽系は誕生しました。

そのころの太陽系は、太陽が主系列星というきちんとした恒星に成長する前の「原始星(前主系列星・Tタウリ型星)」を中心にして、多くの塵やガスが渦巻いている状態でした。

ここから星は進化して太陽となり、その周りのガスが少なくなって惑星が回る太陽系へと成長していったのです。

星系が形成される期間については、遠くの生まれたての星系などを観測することで、天文学者はおよそ100万年と推定していますが、太陽系がどの程度の時間で形成されたかについては、これまで明らかになっていはいませんでした。

しかし、この疑問について、今回の研究を発表したアメリカのローレンス・リバモア国立研究所(以下、LLNL)の科学者グループは、太陽系は約20万年で形成されたという結論を述べています

20万年という時間を言われてもすぐにはピンと来ません。例えば地球上にホモ・サピエンスが登場してから現代までの期間が、およそ30万年と推定されています。

巨大な太陽系が、人類の祖先からの進化より短い期間で形成されていたと考えると、それは驚くべき速度だったと言えるでしょう。

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