動物もマスクを着用? 交尾のときにマスクをつけ外しする奇妙なコウモリ

交尾が終わるとすぐにマスク状態に戻る
交尾が終わるとすぐにマスク状態に戻る / Credit:PLOS ONE
reference: livescience

マスクをするコウモリがいるようです。

11月11日に『PLOS ONE』に掲載された論文によれば、世界で最も醜い顔として知られるコウモリ(学名: Centurio senex)のオスは、繁殖期がくると、顔の下側の皮膚を伸ばして顔の下半分を覆うマスクを作るとのこと。

コウモリの自家製マスクには、いったいどんな意味があるのでしょうか?

>参照元はこちら(英文)

コウモリのマスクはモテアイテム

顔のアップ画像。世界一醜い顔と言われているだけのことはある
顔のアップ画像。世界一醜い顔と言われているだけのことはある / Credit:PLOS ONE

中央アメリカに生息するCenturio senexはこれまでほとんど研究されておらず、その生態は謎につつまれていました。

しかし今回の研究により、この珍しいコウモリが交尾する様子をはじめて撮影することに成功します。

交尾はまず、木にぶらさがったオスたちが一斉にマスク状態になり、超音波で歌うことから開始。すると不思議なことに、オスたちの歌に惹き付けられるようにメスが集合します。

どうやらこの種のメスにとっては、マスク内部でくぐもった歌の合唱がたまらなくセクシーに感じてしまうようです。

一方、オスたちにとってマスクはメスを誘惑するモテアイテムとも言えるでしょう。

しかしいざ交尾となると、オスは途端にマスクを脱ぎ捨てます。

研究者たちは、オスたちはマスクの内部に何らかのフェロモンを蓄えており、メスを発情させるのだと考えているようです。

そして交尾が終わるとオスは再びマスクをかぶり、新たなメスを誘い込むために歌い始めます

このような、オスが集団でメスを誘惑する求愛は「レッキング」として知られ、主に鳥類でみられる習慣であり、哺乳類ではほとんど知られていませんでした。

感染予防に結びつけてしまうのは時代のせいかもしれない

メスを誘う時はマスクをして、交尾のときは脱ぎ捨てる
メスを誘う時はマスクをして、交尾のときは脱ぎ捨てる / Credit:PLOS ONE

今回の研究で確認されたコウモリのマスクですが…繁殖期にオスだけが装着する点や、及び個体同士が最も接近する交尾時には解除されてしまうことなどから、病原菌への感染予防とは無縁だと考えられています。

マスクのようにみえる部分は、外部からの空気を遮断する防壁ではなく、内から外へ発せられる歌声を加工する、音声加工器だったのです。

コロナ禍によるマスクへの注目は、人々の動物をみる目さえ変えているのかもしれませんね。

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