ステルス小惑星が11月13日に地上400kmを通過していた!これまででもっとも地球に近づいたのに「誰も気づけなかった」

地球に接近する小惑星のイメージ。
地球に接近する小惑星のイメージ。 / Credit:pixabay

小惑星が知らない間に地球に接近していたという話題をたびたび耳にします。

先週の11月13日(金)に落下しなかった隕石の中で記録上一番地球に近づいた小惑星が登場しました

地球を通り過ぎた後の11月14日(土)に発見された新しい小惑星「2020 VT4」は、なんと南太平洋の400km上空をかすめていたのです

はたして地球に影響は無かったのでしょうか。

ちなみに、これまででもっとも地球に近づいた小惑星は今年の8月16日に地上3000kmまで接近した2020QG」でした。

今回の小惑星はワールドレコードを大幅に更新したことになるでしょう。

地球にもっとも近づいたけど落ちなかった小惑星

11月13日に最接近した小惑星2020VT4の軌道。
11月13日に最接近した小惑星2020VT4の軌道。 / Credit:orbitsimulator.com

今回地球に近づいた小惑星は、11月14日(土)の早朝に、ハワイのマウナロア天文台の小惑星地球衝突最終警戒システム(ATLAS)の調査から発見されました。

発見のタイミングは最接近から15時間後のことです。

地球に近づいていた非常に小さな小惑星に気づけないということは珍しいことではありません。

小惑星に太陽方向の観測上の死角から近づかれた場合よく起こることで、「2020 VT4」も太陽の方角からやってきました。

地球上では、南太平洋のピトケアン諸島付近で目撃することが可能で、3等級ほどの明るさで見ることができた可能性があります。

しかし、17:20(世界時)という昼間の出来事だったため、地上でもこの小惑星の目撃報告は出ていません。

また、小惑星のサイズは5~10m程度だったと推定されています。

小惑星の接近では2013年ロシアのチェリャビンスクの事件が記憶に新しいものですが、このときの小惑星はサイズが20mあったと考えられていて、今回の10倍近い衝撃が発生していました(地球に接近した小惑星の記録については、こちらの記事を参照)。

そして今回の小惑星は例え地球に落下していたとしても、特に被害は起きなかっただろうと予想されています。

むしろ、落下していたらちょうどいい天体ショーになっていたかもしれない、と天文学者は語っています。

地球に最接近した世界記録

小惑星2020VT4の発見画像。
小惑星2020VT4の発見画像。 / Credit: ATLAS/Larry Denneau.

今回の小惑星のもっとも驚くべきところは、地球へ最接近した際の地上との距離です。

地上との距離は400kmほどと考えられていて、これまででもっとも地球に近づいた隕石です。

400km上空というと、静止衛星の低地球軌道をかすめている高さであり、国際宇宙ステーション(ISS)の周回する高さともほぼ一致しています。

幸い、今回の小惑星が南太平洋上空を通ったときISSは南大西洋上にあり、その他の衛星も影響を受けることはありませんでした。

しかし、ISSは109mの大きさがある構造物なので、ひょっとすると非常に危険な状態になっていた可能性もあります。

もう一度地球と出会うことはない

「2020 VT4」は巨大な地球に非常に接近したことで、その軌道が大きく変更されたといいます。

もともと「2020 VT4」は太陽の周りを549日で周回する、黄道に対して13度傾斜した軌道を持っていました。

しかし、地球をかすめた影響により、この軌道は周期315日、黄道に対しては10.2度傾斜したものに変わってしまったそうです。

地球をかすめた結果、「2020 VT4」は近日点が金星軌道の内側に移動してしまい、次に地球に近づくのは2052年11月13日で、その距離は約300万kmとはるかに遠い位置になってしまうようです。

「2020 VT4」が今後自身の地球接近記録を更新することは難しいでしょう。

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