歴史を変える可能性のある「隠し文書」が学生によって発見される!(アメリカ)

15世紀の羊皮紙から浮かび上がった「隠し文書」
15世紀の羊皮紙から浮かび上がった「隠し文書」 / Credit: Rochester Institute of Technology

reference: phys

アメリカ・ロチェスター工科大学の学生チームが、自作した画像処理システムを使い、15世紀の羊皮紙に「隠し文書」を発見しました。

この隠し文書は「パリンプセスト(Palimpsest)」という、書かれた文字を消して、別の内容を上書きした写本の一種と判明しています。

当時、羊皮紙は非常に高価なものだったため、不要となった写本は再利用されていたようです。

浮かび上がったのは「フランス語の古文書」

今回の調査は、同大学のチェスター・F・カールソン画像処理科学センターに所属する19名の学生により始動しました。

19名は初年時に、紫外線蛍イメージングを用いたオリジナルの画像処理システムの作製をスタート。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、今年3月から遠隔授業に切り替わり、プロジェクトが一時中断されていました。

その後、資金提供の助けもあり、3名の学生が今夏にプロジェクトを再開し、クラスが再開された今秋、ついに隠し文書の発見に成功したとのことです。

調査を行ったのは、画像科学専攻2年のゾーイ・ラレーナさん、リサ・エノックスさん、マルコム・ゼールさん。

3名は、学内の「Cary Graphic Arts Collection」に保管されている15世紀の羊皮紙を対象に、画像処理を開始しました。

ラレーナさんは「羊皮紙をいくつか借りて、自作したUVライトの下に置いてみました。すると、その内の一枚にフランス語の文書が浮かび上がったのです。

この羊皮紙は十数年の間、保管所に放置されていたもので、今まで誰も隠し文書に気づいていなかったので、とても驚いています」と話しました。

調査中のラレーナさん(右)とゼールさん(左)
調査中のラレーナさん(右)とゼールさん(左) / Credit: Rochester Institute of Technology

同じ羊皮紙は他に29枚ある!「宝の山」の可能性も

羊皮紙の文字は、12世紀の書物『さまざまの技能について(De Diversis Artibus)』によると、オレンジの絞り汁と海綿で簡単に消すことができます。

肉眼では見えないものの、紫外線やX線を用いたスキャナーで可視化され、ときには歴史的に貴重なテキストが見つかることもあるようです。

新たに発見されたフランス語文書の解読はまだ完了していません。

調査中のリサ・エノックスさん
調査中のリサ・エノックスさん / Credit: Rochester Institute of Technology

一方で、今回調査された羊皮紙は「エゲ・コレクション(Ege Collection)」という、歴史家のオットー・エゲ氏が提供した30ページある同じ写のうちの一枚に当たります。

そのため、他の29枚にも同様の隠し文書が見つかる可能性が非常に高いです。

保管所キュレーターのスティーブン・ガルブレイス氏は「似たような中世の羊皮紙は、アメリカ中の研究者によって調査されていますが、隠し文書が発見された例はなかったので、今回の結果にはとても興奮している」と話します。

浮かび上がったフランス語の文書
浮かび上がったフランス語の文書 / Credit: Rochester Institute of Technology

これまで見つかったパリンプセストには、4世紀のシリア最古の福音書古代ローマの法学者ガイウスの『法学提要』のほぼ完全なテキストといった、超重要な古文書もあります。

今回の隠し文書も解読の結果次第では、歴史を変える重大な事実が浮かび上がるかもしれません。

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