同じ羊皮紙は他に29枚ある!「宝の山」の可能性も
羊皮紙の文字は、12世紀の書物『さまざまの技能について(De Diversis Artibus)』によると、オレンジの絞り汁と海綿で簡単に消すことができます。
肉眼では見えないものの、紫外線やX線を用いたスキャナーで可視化され、ときには歴史的に貴重なテキストが見つかることもあるようです。
新たに発見されたフランス語文書の解読はまだ完了していません。
一方で、今回調査された羊皮紙は「エゲ・コレクション(Ege Collection)」という、歴史家のオットー・エゲ氏が提供した30ページある同じ写本のうちの一枚に当たります。
そのため、他の29枚にも同様の隠し文書が見つかる可能性が非常に高いです。
保管所キュレーターのスティーブン・ガルブレイス氏は「似たような中世の羊皮紙は、アメリカ中の研究者によって調査されていますが、隠し文書が発見された例はなかったので、今回の結果にはとても興奮している」と話します。
これまで見つかったパリンプセストには、4世紀のシリア最古の福音書や古代ローマの法学者ガイウスの『法学提要』のほぼ完全なテキストといった、超重要な古文書もあります。
今回の隠し文書も解読の結果次第では、歴史を変える重大な事実が浮かび上がるかもしれません。