自分が見ている色を他人に知られてしまう技術が開発される

自分が見ている色を他人が知ることができる技術が開発される
自分が見ている色を他人が知ることができる技術が開発される / Credit:Current Biology
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自分の視覚を盗撮される日が来るかもしれません。

11月16日に『Current Biology』に掲載された論文によると、脳活動を観測することで、他人の視界に映る色を正確に予測する技術が開発されたとのこと。

近年における急速な技術進歩は、究極のプライバシーである脳内の情報を次々に暴き出すことに成功しており、今回は遂に視界に映る「色」の読み取りにまで手が届いたようです。

しかし、いったいどうやったら他人の見ている色を言い当てられるのでしょうか?

>参照元はこちら(英文)

脳は色ごとに異なる反応パターンをみせる

脳は色ごとに異なる磁気反応をしめした
脳は色ごとに異なる磁気反応をしめした / Credit:Bevil Conway、Ph.D.、National Eye Institute

これまでにかかわる研究は、目の網膜に存在する色覚細胞の分析が中心でした。

色覚細胞には赤・緑・青を認識する3種類の細胞が存在しており、それぞれの細胞が受け取った信号を内に伝達します。

しかし、目から入った信号を脳がどのように処理するかは不明であり、ブラックボックスの中にありました。

そこでカリフォルニア工科大学の研究者たちは、脳の神経回路が発する磁場を感知する装置(脳磁図)を用いて、脳細胞の活性を測定することにしました。

研究者たちはボランティアに様々な色が写った画像をみせ、各色に対する脳の活動パターンを記録していきます。

結果、脳は1つ1つの色に対してユニークな(独自の)活動パターンを示すことが明らかになりました。

また十分なデータがあれば、研究者たちは脳磁場の分析だけで、ボランティアたちの見ている色を正確に言い当てることも可能になりました。

しかし研究は、より興味深い事実を発見します。

色の名称にあらわれる奇妙な偏り

冷たい色よりも温かい色の名称のほうが多い
冷たい色よりも温かい色の名称のほうが多い / Credit:depositphotos

色を研究する研究者たちは長い間、1つの疑問を持ち続けていました。

地球上に住む人間たちは地域によって多少の変動があるものの、どういうわけか冷たい色(青など)よりも、温かい色(赤やオレンジ)に対して、より細かな名称による区別を行っていることが知られていました。

この名称に対する奇妙なバリエーションの偏りが、文化によるものなのか、それとも神経回路に起因するものなのか、論争は決着がつかないままだったのです。

しかし今回、研究者がデータを詳しく分析した結果、人間の脳は冷たい色(青など)よりも温かい色(赤やオレンジなど火にかかわる色)に対して、より強い反応をみせていたことが判明します。

この事実は、色の名前の数の偏りが、言語や文化ではなく、人間の脳の神経回路の処理方法に起因することを示唆します。

神経回路に対する事前プログラミング

人間もアリやハチのようにかなりの脳機能が事前プログラミングされているかもしれない
人間もアリやハチのようにかなりの脳機能が事前プログラミングされているかもしれない / Credit:depositphotos

今回の研究により、他人のみている色をあてる技術が開発されるとともに、ヒトの暖色に対する興味の強さ(名称分けの細かさ)が、先天的な神経回路によって生じていることが示されました。

どうやらヒトは、生まれながらに温かい色に対して敏感なようです。

もしかしたら、文化や言語に由来すると考えられている他の要素も、脳の脳の神経回路によって決まっているのかもしれません。

そうなれば、人間は思った以上に事前プログラムされた生き物と言えるでしょう。

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