なぜ日本人は「フグ」を食べ続けるのか
なぜ日本人は「フグ」を食べ続けるのか / Credit: jp.depositphotos
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なぜ日本人は危険なフグを食べ続けるのか? 「フグは毒をつくらない」って知ってた? (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.12.05 Saturday

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フグは自分で毒をつくれない

それから、フグのもうひとつの武器は「」です。

ほとんどの種類は「テトロドトキシン」という有毒物質を持っており、捕食者にとって致命的となります。

実は、このテトロドトキシンは、フグ自体がつくり出すものではありません。

フグは、有毒なプランクトンや海洋細菌、類、ヒトデなどを食べることで、その毒成分を体内にため込んで自分のものにしているのです。

毒素はおもに卵巣、精巣、肝臓、腸、皮膚にあり、細心の注意で調理しないと、肉に広がってしまいます。

トラフグ
トラフグ / Credit: ja.wikipedia

致死量が2〜3mgほどで、毒性の強さは青酸カリの500~1000倍以上に達します。

テトロドトキシンは神経性の毒で、神経の適切な機能を壊して筋肉のコントロールを失わせ、窒息や心不全を引き起こします。

今のところ、フグ毒の有効な解毒剤はありません。助かるには、体内から毒素が排出されるのを待つしかないのです。

ちなみに、フグ中毒者の最も古い記録は、キャプテン・クック(1728〜1779)であり、1774年の太平洋航海中にフグの肝を食べて倒れたと伝えられます。

フグに当たったジェームズ・クック
フグに当たったジェームズ・クック / Credit: ja.wikipedia

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