自然すごい。「苔」がヒ素を含む水を浄化できることを発見

chemistry 2018/04/21

最近スウェーデンの鉱山では、ヒ素による水源への汚染が問題になっており、その解決法が研究されていました。今回の発見は、苔が水中のヒ素を吸収して浄化できるというもの。なんと、苔がヒ素に汚染された水を1時間で約80%も浄化できることがわかりました。

Point
・ヒ素に汚染された水を浄化できる苔を発見
・環境にやさしい方法で水を浄化するシステムを開発する手がかりに

 

スウェーデンの科学者たちが、有毒なヒ素によって汚染された水を浄化できる苔を発見。浄化された水は、飲むこともできます。ストックホルム大学の研究者によると、“Warnstofia fluitans”と呼ばれるスウェーデン北部に原生する水棲の苔は、ヒ素を速やかに吸収できます。実験で明らかになったその能力は、1時間で毒素の82%です。

ヒ素は半金属元素で多くの鉱物で一般的に見られ、採掘においてはありふれた廃棄物です。採掘廃棄物は、主要な環境問題の一つで、時に強い毒性を示す物もあります。大きな廃棄物の山から分離することは難しく、その結果、濃縮した毒が水源に流れ込んでしまうことがあります。

Credit: Tim Lumley on Visual Hunt / CC BY-NC-ND

スウェーデンの地盤には高いレベルのヒ素が含まれているので、採掘によって地表に掘り上げられてしまいます。ヒ素は水の流れに乗って、作物に含まれるヒ素レベルをあげます。影響を受けるのは小麦や根菜、葉野菜などです。少量のヒ素が食物に混入することは珍しくありません。例えばある国では米に高いレベルのヒ素が含まれます。

研究者らが注目したのは、「植物濾過」と呼ばれる、ヒ素などの重金属といった廃棄物をほぼ吸収する能力です。汚染水の容器から、1時間でヒ素の約80%を取り除くことに成功しました。その過程を経た水は、もはやヒトに害を及ぼさないほど低いヒ素レベルに達していたとのこと。

研究者チームによると、この発見で水質浄化のための、環境にやさしい方法を生み出せると言います。今後期待されているのは、高濃度のヒ素を含む小川や水路に、この苔を生やすことです。

 

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via: Independent/ translated & text by SENPAI

 

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