重力レンズとは
1915年、アインシュタインは一般相対性理論と呼ばれる新しい重力理論を発表しました。
この理論によると、天体がもつ重力により宇宙空間を進む光線は曲がるとのこと。
しかしこれは「重力に光線を曲げる効果がある」という意味ではありません。
正確には、「重力で周囲の空間が歪み、その空間を直進する光線も結果として曲がる」という意味です。
そしてこの現象は実際に宇宙で起こっており、この効果によって遠くにある星が明るく見える現象を「重力レンズ効果」と言います。
それでは重力レンズの仕組みを考えてみましょう。
宇宙にある星は光源であり、全方向に直線的な光を放っています。そして私たちにはそれらの一部が届き、星の姿を観測できているのです。
しかし、その星が遠く離れていたり光が弱かったりするなら、実際に目で見ることはできません。
ここで役立つのが重力レンズです。星と私たちの間に巨大な天体があるなら、重力によって周囲の空間が歪みます。
結果としてその天体近くを通る光線が曲がり、私たちの目に届くようになるのです。
巨大な天体の重力がいわば虫眼鏡のような役割を果たし、光を集めてくれるのです。
そのおかげで、私たちは本来見えないレベルの星を観測できるようになっています。