人と待ち合わせするとき、私たちは四次元を使っている

物理や数学の話に、四次元とか五次元という単語が出てくると、「ああもう無理! たぶん理解できない」なんて気分になってしまいますが、慌てることはありません。
大抵の場合、次元というのは、計算するために必要なパラメータ(変数)はいくつかと言っているに過ぎないからです。
例えば誰かと待ち合わせをすることを考えてみましょう。
そのとき、あなたは相手とどんな取り決めをするでしょうか?
普通は駅名とかで決めますが、場所は地図上のXYという2つの軸座標で指定されるので、二次元の情報です。

もしそれが建物の場合には、「何階にいるよ」という情報も必要になるでしょう。これで高さZを含めた三次元の情報になります。
しかし、これだけでは待ち合わせになりません。「何日の何時頃ね」と普通は約束するはずです。これで時間Tを含めた四次元の情報になります。

つまり、私たちは人と待ち合わせるために、全部で4つのパラメータが必要になります。これは、私たちの住むこの世界が四次元の構造を持っているということです。
よく二次元は縦横の世界、三次元はそこに奥行きを足した世界、四次元はそこに時間を含めた世界なんて表現されるのはこのためです。
ただ、通常時間軸は空間軸の様に自由に操作可能な軸ではないため、私たちの宇宙を表現するときは「四次元空間」という呼び方はしないで「四次元時空」と呼びます。
これは私たちの世界が、空間次元が3個と時間次元が1個で成り立っているからです。
次元は全部くっついたものとして考えると、イメージができなくて難しくなりますが、このように次元を構成する軸をいくつかに分けて考えると案外簡単に人間の脳は理解できたりするものです。