歯磨きをしないとメタボになって筋肉の脂肪化がおきてしまう可能性がある
歯磨きをしないとメタボになって筋肉の脂肪化がおきてしまう可能性がある / Credit:Canva
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歯磨きしないとメタボになり、筋肉が「脂肪化」すると報告される! (4/5)

2021.01.27 Wednesday

2020.12.10 Thursday

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歯周病菌は血糖値を上昇させインスリンの効き目を奪う

歯周病菌に感染したマウスは糖尿病になりやすくなる
歯周病菌に感染したマウスは糖尿病になりやすくなる / Credit:佐賀大学

仮説の証明にあたり、研究者たちは非常にシンプルな方法をとりました。

研究者たちはまず一種の「タグ」付きの砂糖ともいうべき「2-デオキシグルコース」を用意し、歯周病菌(Pg)に感染したマウスと健康なマウスの2グループに食べさせました。

この特殊な糖は分解が途中で止まるようになっており、解剖して摘出した筋肉に含まれる「タグ」の量を測ることで、糖分がどれだけ筋肉に取り込まれたかを調べることができます。

人間でもマウスでも、多くのエネルギーを消費する骨格筋は、糖分の主要な吸収源ですが、糖尿病にかかると、筋肉は血管から糖を吸収しなくなってしまいます(結果として血液中の糖が増える)。

もし歯周病菌(Pg)が筋肉の総量を減少させるだけでなく、筋肉そのものの糖の吸収能力を奪っているなら、糖尿病の明白な原因といえます。

歯周病菌は筋肉が糖を取り込む力を落として糖尿病にする
歯周病菌は筋肉が糖を取り込む力を落として糖尿病にする / Credit:佐賀大学

実験を行った結果は明白でした。

上のグラフが示すように、歯周病菌(Pg)の感染は筋肉の糖吸収能力を奪っていたのです。

歯周病菌はインスリンの効き目も落とす
歯周病菌はインスリンの効き目も落とす / Credit:佐賀大学

またインスリンの効き目(インスリンシグナル)を調べたところ、上のグラフのように、歯周病菌(Pg)に感染したマウスでは、インスリンの効き目が大きく落ちていることが確認されました。

さらに腸内細菌を調べると、歯周病菌(Pg)は腸内細菌叢(腸内細菌の比率、腸内フローラとも言われる)に大きく影響を与え、腸内細菌の多様性を損なっていることが示されたのです。

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