フンを運ぶ最中のミツバチ
フンを運ぶ最中のミツバチ / Credit: Heather Mattila
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ミツバチは「ウンチの壁」を作ってスズメバチから身を守っていたと判明! (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.12.10 Thursday

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フン効果は絶大!スズメバチの滞在時間は10分の1に

チームは、地元の養蜂家の協力のもと、水牛、ニワトリ、ブタ、牛のフンを集め、養蜂場の近くに塚状にして置きました。

そこにミツバチを放ち、どのような行動を取るかを観察しています。

すると、その日の終わりまでに約150匹のハチがフン塚を訪れ、とくに臭いの強いニワトリとブタのフンを採取していきました。

フンを持ち帰るミツバチ
フンを持ち帰るミツバチ / Credit: Heather Mattila

フンを持ち帰ったミツバチを識別するため印をつけ、行動を追跡しています。

その結果、ミツバチは巣の入り口にフンを点々と散布し始めたのです。

また、「ミツバチは口を使ってフンの形を整えており、これは明らかに、意図的な道具の使用を証明している」とオーティス氏は指摘します。

こちらがその様子です(矢印のミツバチに注目)。

フンの効果を調べてみると、巣に寄ってきたオオスズメバチは、散布されたフン量が多い場所では、フン量が少ない場所に比べて滞在時間が半分以下になっていました。

さらに、ミツバチの幼虫を捕食するために巣の壁を壊そうとする時間は10分の1以下に激減しています。

総合して、フン量が多い巣ほど、オオスズメバチが攻撃をしかける頻度も大幅に減っていました。

フン量が多いほどスズメバチも近づかない
フン量が多いほどスズメバチも近づかない / Credit: plos

オーティス氏は「スズメバチがフンの悪臭を嫌っている可能性が高いが、まだ詳しい原因はわかっていません。もしかしたら、フンの臭いがミツバチの香りを隠しているのかもしれない」と述べています。

今後の研究次第では、フン散布が、北米のセイヨウミツバチを外来種から守る方法に応用できるかもしれません。

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