2020年の動物ニュースBEST5!
第5位.イカは自力で「DNA編集」できた!
イカは、あらゆる生物の中で特異な存在として知られますが、今年また新たな能力が見つかりました。
なんとイカは自らの力で遺伝子編集することができたのです。
体内のタンパク質は、DNAにある設計図をもとにRNAが仲介して作られ、RNAの編集はふつう、細胞の核内に限定されます。
これを生物の絶対ルールとして「セントラルドグマ」と呼びます。
ところが、アメリカに分布するケンサキイカを調べると、細胞核の外でRNAを編集できることがわかったのです。
これは他の生物には見られず、地球上でイカのみとされます。
やはり、イカは、宇宙から送り込まれてきた刺客なのでしょうか?
第4位.魚が「溺死の状態」で見つかるコンゴ川の謎を解明!
アフリカのど真ん中を流れるコンゴ川は、長さ4700kmを誇る世界有数の巨大河川。
ところが、その下流域には、魚の多くが瀕死か死んだ状態でしか発見されない場所があります。
その謎を解明するべく調査したところ、その場所は水深200mをこえる世界一深い川であることが判明しました。
さらに、このポイントには、川底から水面に向かって水が激しく上昇する水流サイクルが見つかっています。
そこに魚が飲み込まれることで急激な圧力低下を引き起こし、減圧症にかかっていたのです。
魚でも溺れる川とは、どれほど恐ろしい場所なのでしょう?
第3位.ポーランドの水質検査をする貝、800万人の生活水の支えに
淡水の二枚貝には、水が化学物質や重金属に汚染されていると、殻をギュッと閉じる習性があります。
ポーランドの首都ワルシャワの給水ポンプは、この習性を利用して貝に水質検査を任せているのです。
8匹の二枚貝(イシガイ類)がセンサーと一緒に貼り付けられており、センサーはメインポンプの制御システムと直につながっています。
貝が水を有毒と判断して殻を閉じると、都市への給水も自動的に止まるのです。
貝は3ヶ月の任期を終えると、他の仲間と交代し、もとの生息場所に帰っていきます。
第2位.最強「シャコパンチ」、拳にナノ粒子をまとって衝撃を吸収していた!
シャコは、時速80キロのハンドスピードで、人の指もへし折ってしまうパンチ力の持ち主。
それでいながら、彼らの拳には一切の傷がつきません。
調べてみると、シャコの拳には、特殊な結晶構造の「ナノ粒子」コーティングが施されていることが判明しました。
低エネルギーのインパクトには、マシュマロのように変形して衝撃を吸収し、高エネルギーには、結晶構造を一度こわすことで(アモルファス化)、クッションのようになり、衝撃を分散させていたのです。
シャコは最強のパンチ力だけでなく、高性能の自家製サポーターまで備えていたというわけですね。
第1位.コロナ禍で人に会えなくなった魚が次々と「うつ病」を発症
今年一年を通し、世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされました。
その中で、オーストラリアにある「ケアンズ水族館」は、3月から営業を一時停止。
すると奇妙なことに、館内の魚たちが次々と「うつ症状」を示し始めました。
なんと魚たちは人が来なくなった寂しさのあまり、ふさぎ込んでしまったのです。
中には水槽の隅にうずくまったり、エサを食べなくなった魚もいます。
彼らのうつ症状を解消するため、当館は、一緒に泳ぐダイバーを雇いました。
人との接触が増えたことで、魚たちは少しずつ元気を取り戻したようです。
魚たちは常に人から見られているようでいて、私たちをジッと観察しています。
人が水槽の前を通るだけで魚にとっては良い刺激となり、また、人の顔や着ている服の色の違いを見て楽しんでいるのです。
コロナが終息したら、ぜひ水族館にも足を運びたいですね。