ついに解明? 女性のほうが偏頭痛が多い理由、「NHE1」というタンパク質が関係していた

life 2018/04/23
Credit: ISTOCK
Point
・“NHE1” と呼ばれるタンパク質のレベルが下がると偏頭痛が起こる
・女性ホルモン “エストロゲン” は “NHE1レベル” 低下の一因であるため、女性に偏頭痛が多い
・これまでの偏頭痛の研究において、男女の違いはあまり考慮されてこなかった

「偏頭痛」とは医学界にとって、それこそ「頭痛のタネ」であり、その治療法は確立されてきませんでした。特に、偏頭痛に悩む人の75%は女性であるといわれており、薬も男性ほど効果はありません。つまり長い間偏頭痛は「女性の敵」として、世界中の女性を悩ませてきたわけです。

これまでの偏頭痛に関する研究では、性差はあまり考慮されておらず、主に男性を対象とした研究が行われてきました。最新の研究ではその「性差」にフォーカスが当てられ、偏頭痛に関連する“NHE1” とよばれるタンパク質と、女性ホルモンの一つである “エストロゲン” が関係していることが判明しました。

22日にサンディエゴで行われた会議 “Experimental Biology” において、研究者であるエミリー・ギャロウェイがこの発見についての発表を行いました。“NHE1” には、細胞膜におけるプロトンとナトリウムイオンの往来を調整する働きがあります。そしてその細胞膜には、脳からの血流を隔てているものも含まれます。この “NHE1” のレベルが下がり、働きが不規則になってしまうと、脳におけるプロトンやナトリウムイオンの往来が不安定になってしまい、その結果として偏頭痛が起こると考えられます。

Credit: Pixabay

マウスにおいてこの “NHE1レベル” のオス・メス間の違いを調査した結果、オスのマウスで、メスの4倍もの “NHE1レベル” が検出されました。さらに、メスのマウスのエストロゲンが最高の数値を示したとき、脳の血管内における “NHE1レベル” は最低の数値を示したのです。これは、女性ホルモンであるエストロゲンが “NHE1レベル” の低下に加担していることを示唆しており、女性に偏頭痛が多いといった事実とつじつまが合います。

これまでも、エストロゲンの分泌量が偏頭痛の症状に影響を与えていると考えられてきましたが、それが “NHE1” と結び付けられたのは今回が初めてです。この発見は、将来における偏頭痛の研究や治療法を一変させる可能性があります。

ギャロウェイ氏は「こうした分子レベルの偏頭痛の研究は、より的を絞った薬の開発に向けたファースト・ステップになるでしょう」と語っており、女性だけでなく、男性の偏頭痛もいずれ解決する日がくることを示唆しています。

 

女性が男性より競争に弱いとされる理由

 

via: mentalfloss / translated & text by なかしー

 

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