新種が「世界一醜いラン」に決定
新種が「世界一醜いラン」に決定 / Credit: Rick Burian
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「世界一醜い新種のラン」を発見! 光合成しないで菌と共生するユニークな植物(マダガスカル)

2021.01.27 Wednesday

2020.12.24 Thursday

sciencealert https://www.sciencealert.com/botanists-have-finally-found-it-the-ugliest-orchid-in-the-world, bbc https://www.bbc.com/news/science-environment-55339987, newscientist https://www.newscientist.com/article/2263273-newly-discovered-orchid-species-labelled-the-ugliest-in-the-world/?utm_campaign=RSS%7CNSNS&utm_source=NSNS&utm_medium=RSS&utm_content=news

マダガスカルで発見された新種のラン「ガストロディア・アグニセラス(Gastrodia agnicellus)」が、ロイヤル・ボタニック・ガーデン(イギリス)より、「世界一醜いラン」の称号を与えられました。

新種は、ラン科のオニノヤガラ属(Gastrodia)に分類され、アグニセラスはラテン語で「小さな子羊(little lamb)」を意味します。

一体、どんな特徴をもつ植物なのでしょうか。

研究は、11月5日付けで『Curtis’s Botanical Magazine』に掲載されています。

>参照元はこちら(英文)

ユニークすぎる新種!醜いけど良い香り、光合成はしない

G.アグニセラスは昨年9月に報告されたばかりですが、ここまで発見が遅れたのには理由があります。

この植物は現在、マダガスカルの「ラノマファナ国立公園」という保護区にのみ分布しており、一生のほとんどを地中で過ごします。

地上に現れるのは8月と9月だけで、花を咲かせて種子を落とした後は、再び地中に帰っていきます。

また、花のサイズが小さく、全長は1.1センチしかありません。

花と茎は茶色で地味であり、地面の岩肌と見分けにくく、下草に隠れてしまうとほぼ見えなくなるのです。

新種のラン、小さくて見えづらい
新種のラン、小さくて見えづらい / Credit: onlinelibrary

しかし見た目とは裏腹に、バラに似た良い香りを放ち、周囲の温度が上がると香りも一層強くなります。

こうした不気味な姿の植物は、ラフレシアのように腐臭を放つことが多いです。

さらにユニークなことに、G.アグニセラスは葉っぱを持たず、合成をするための組織がまったくありませんでした。

その理由は、類との共生関係で得られる栄養素に依存しているためです。

すべての部位の図像
すべての部位の図像 / Credit: onlinelibrary

新種の根っこには細かな毛がびっちり生えており、そこに菌類が住みついて、一種の「菌根ネットワーク」を作ります。

菌類は土壌や他の植物から炭素などの養分を抽出し、新種がその菌類から必要な栄養素を吸い上げるのです。

こうした植物は「ホロミコトロフ(holomycotroph)」と呼ばれます。

受粉後の姿
受粉後の姿 / Credit: onlinelibrary

G.アグニセラスについてはまだ不明な点がいくつもあります。

その一つが、受粉の仕方です。

調査では、アリが花の中や外を這い回っている様子が観察されました。

これはアリがG.アグニセラスの蜜を採取するためですが、受粉ルートの一つになっている可能性があるようです。

発見されたばかりの新種はすでに減少の危機にあり、専門家たちが絶滅を防ぐための保護対策を進めています。

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