「激しい運動で免疫力低下」は間違いだった。科学者が解説

life 2018/04/25

Point
・「激しい運動によって免疫力が低下する」という定説を再調査
・一時的に血中の免疫細胞が減少するものの、免疫力低下にはつながらないとの報告
・むしろ激しい運動で抗菌・抗ウイルスの免疫が向上する

 

激しい運動をすると免疫力が低下するという説を聞いたことがありませんか?実はそれ、間違いかも知れません。

それが最初に話題になったのは、1980年頃です。ロサンゼルスマラソンにて、「激しい運動によって感染症のリスクが上昇する」という調査が行われました。その研究では、マラソンレース後になんらかの感染症の症状があるか、追跡調査を行った結果、実際に多くの被験者から感染症の症状がみつかりました。

当時は「激しい運動によって菌が付着しやすくなるため」と推測されていましたが、現在では、激しい運動をすることで免疫力が低下した結果、感染症に感染しやすくなったと考えられています。

最新の研究では、この80年代に行われた調査について、免疫学と運動生理学に基づいて改めて調査を開始。「激しい運動は直接免疫力低下にはつながらない」ということがわかったのです。

Debunking the Myth of Exercise-Induced Immune Suppression: Redefining the Impact of Exercise on Immunological Health Across the Lifespan
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2018.00648/full

一般的にマラソンのような激しい運動では、免疫細胞に様々な変化が生じます。免疫細胞は、運動中には感染症が起こったときと同じ、10倍ほど増加します。しかし運動後には大幅に減少し、むしろ運動前よりも少なくなっていたのです。

これまでは、なぜ免疫細胞が減少するかについて、激しい運動の反応として免疫抑圧が働いていると考えられていました。調査の結果、これは決して免疫細胞が消失したり、破壊されたりしたわけではなうく、感染症の影響を受けやすい肺などの別の場所に移動していただけだとわかりました。

この証明として、免疫細胞が減少した数時間後には正常値に戻っています。また、マウスにおける研究では、激しい運動の後には感染症の影響を受けやすい場所にも移動していました。

結論として、激しい運動は、免疫を抑圧していたわけではありませんでした。実際には、抗菌・抗ウイルス免疫が向上することが近年の研究で発見されています。

研究者らは、80年台の研究についてスポーツフェスティバルという人が集まる環境での空気感染や食べ物、精神的ストレスによって感染症のリスクが高まったのではないかと述べています。

 

とはいっても、もちろんいきなり激しい運動をするのはNG。自分にあったペースで臨みましょう。

 

via: ZMEscience / translated & text by ヨッシー

 

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