男性に下痢が多く、女性に便秘が多いのは、神経伝達物質の違いが原因だった
男性に下痢が多く、女性に便秘が多いのは、神経伝達物質の違いが原因だった / Credit:(左)Depositphotos , (右)Depositphotos
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「男性に下痢、女性に便秘」が多い原因を特定!痛みを和らげる物質が大腸で働いていた (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.12.29 Tuesday

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メスのラットはGABAの働きにより、腸内運動活性化の効果が打ち消されていた

調査の結果、神経伝達物質によって大腸運動が促進されるのは、オスのラットだけだと判明。

そしてその原因は、放出される神経伝達物質の成分の違いにありました。

脳から脊髄に放出される神経伝達物質と大腸運動作用の性差
脳から脊髄に放出される神経伝達物質と大腸運動作用の性差 / Credit:岐阜大学

オスでは前項で解説したようにドーパミンやセロトニンが放出されており、これらが大腸運動を促進します。

一方、メスではドーパミンが放出されず、セロトニンとGABAが放出されていました。

このセロトニンには大腸運動を活性化する効果があるのですが、GABAにはその効果を打ち消す作用があります。

結果としてプラスマイナスゼロとなり、メスの大腸運動は活性化されないのです。

ちなみに卵巣ホルモンによってGABAが働くため、卵巣を除外したメスのラットも、オスのラットと同様の反応になるとのこと。

この結果は、「男性には下痢が多く、女性には便秘が多い」という性差メカニズムの一端を明らかにするものとなりました。

将来的には、性別に合わせた治療薬を選択することで過敏性腸症候群に対処できるようになるでしょう。

さらには、未だ明らかになっていない原因やメカニズムの解明に繋がるかもしれませんね。

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