暗黒物質の正体は原始のブラックホールだった?シミュレーション実験が行われる

space 2018/04/29

Point
・暗黒物質は銀河ハローと呼ばれる銀河を取り巻く球状の領域にあるといわれている
・暗黒物質の正体は宇宙の初期にできた原始ブラックホールかもしれない
・シュミレーションによって銀河ハローで原始ブラックホールが観測可能であるとわかる

 

銀河の動きと宇宙背景放射の観測の研究から、天文学者たちは宇宙の多くの物質が目に見えないものであると気づきました。宇宙にある物質の約84%は暗黒物質(ダークマター)で、銀河を取り巻くハローと呼ばれる球状の領域に存在すると言われています。暗黒物質は通常物質の基である原子やそれを形作る電子や陽子では出来ておらず、観測不可能といわれています。

また暗黒物質と同じく、ブラックホールもまた謎に包まれた存在です。ブラックホールが引き起こす影響は、2つのブラックホールが混ざりあう時に放つ重力波などを観測します。

ブラックホールは通常、巨大な星が死ぬ時に爆発した後、形作られます。星間ガスが集まりって星が誕生し、死んでブラックホールになるまでにかかるのは数億年。一方で、初期の宇宙にブラックホールがあったと推測されています。初期の宇宙にはブラックホールができるだけの十分な時間は無かったはずです。そこで、通常とは異なるブラックホールの形成過程が提唱されています。それは、原始ガスの直接の崩壊や、インフレーションに関わる過程であるとされ、多くの原始ブラックホールが作られている可能性があります。

初期の宇宙には、ブラックホールができるだけの十分な時間は無いと考えられています。しかし2016年、LIGOによって重力波が検出され、原始ブラックホールの存在が示唆されました。では原始ブラックホールはどうやってできたのでしょうか?この発見は、科学者にとって非常に悩ましいものとなりました。

ハーバード-スミソニアン天体物理学センターの天文学者キーロン・ツーと4人の科学者たちは、暗黒物質の正体が原始ブラックホールではないかと考えています。もし、暗黒物質のある銀河ハローがブラックホールで出来ているとすれば、エキゾチック粒子で出来たハローとは違った分布を示すに違いありません。同時に、銀河の進化における初期にブラックホールがあると予測するなら、他の種類のハローが形成された場合との違いは他にも出てくるでしょう。

研究者たちが示唆するのは、矮小銀河のハローに存在する星を観察することで、これらの効果を調べることができるということです。なぜなら矮小銀河は小さくて暗く、僅かな効果でも見分けるのが簡単だからです。

チームは複数回のコンピューターシミュレーションを使った結果、矮小銀河のハローが原始ブラックホールの存在を明らかにできることがわかりました。星と原始ブラックホールの間の相互作用は、星の分布の大きさを、僅かですが変化させ得るのです。

研究者たちは、このブラックホールは質量として太陽の2倍から14倍必要であると結論付けています。この範囲は予想されるものと合っており、他の研究における結果にも匹敵します。

しかし、チームはすべてのモデルはまだ結論に達しておらず、結局「暗黒物質の正体は不明のままである」と話しています。

 

ふり出しに戻る。 暗黒物質は重力以外の力では相互作用しないと発覚、観測ますます難しく

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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