子どもの頃、暴力的なゲームに熱中するのは悪いことなのか?
子どもの頃、暴力的なゲームに熱中するのは悪いことなのか? / Credit:canva
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暴力ゲームを遊んだ子どもと成人後の攻撃性に関連はないと判明。10年間ゲーム『グランド・セフト・オート (GTA)』を調査した結果

2021.01.28 Thursday

2021.01.13 Wednesday

iflscience https://www.iflscience.com/brain/playing-violent-video-games-as-a-child-does-not-increase-aggression-study-suggests/

ゲームを取り巻く長い論争の1つに、暴力的なビデオゲームは人の攻撃性を高める原因になるのか? というものがあります。

しかし、多くの研究からはこれを否定する証拠が増えてきています。そして、ついにこの議論を終わらせるべく大規模な調査研究が発表されました。

社会科学分野の科学雑誌『Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking 』に2020年12月18日に掲載された新たな研究は、人気の暴力ゲームを長時間プレイした子どもと、そうでない子どもを比較した結果、攻撃性の有意な増加は見いだせなかったと報告しています。

10年以上に渡るこの継続調査の結果は、暴力的な傾向が暴力的なビデオゲームに起因しないことを裏付けているかもしれません。

>参照元はこちら(英文)

GTAにこだわった研究

暴力的ゲームの代表作、グランド・セフト・オートV。
暴力的ゲームの代表作、グランド・セフト・オートV。 / Credit: Rockstar Games,Grand Theft Auto V

今回の研究で特徴的なのは、これが10年間にも及ぶ縦断的研究であるということと、研究で着目するゲームタイトルを『グランド・セフト・オート(GTA)』一本に絞ったというところです。

これまでも暴力的なゲームの影響について調査した研究というものは数多くあります。いずれも、プレイされたゲーム内容が明確に考慮されていないか、短期間の影響を調査したものだけです。

長期の縦断的研究を行う場合、同じ変数を繰り返し記録し続けるというのは、データとして非常に理想的です。

しかしこのような研究は、非常に長い調査期間が必要になるため、ビデオゲームの研究としては非常にまれなものでした。今回はそんな研究を、アメリカ医療関係企業が長期に渡って実施することで実現したのだと言います。

『グランド・セフト・オート』は、ギャング映画をゲームとして成立させた内容で、街中の激しい銃撃戦や薬物使用、強盗など犯罪が絡むストーリーが中心となって展開していきます。

自由度が高いことも売りの1つで、プレイヤーの行動にはほとんど制限がありません。通行人をいきなり銃殺したり、車を奪ったり、と反社会的な行動もプレイヤーの意思で自由に行うことができます。

銃撃戦をするGTAVのゲーム画面。ちなみにアメリカでもGTAの未成年のプレイは禁止されています。
銃撃戦をするGTAVのゲーム画面。ちなみにアメリカでもGTAの未成年のプレイは禁止されています。 / Credit:PlayStation Japan,『グランド・セフト・オートV』ゲームプレイトレーラー

そうした内容のため、暴力ゲームの影響が議論される際には、必ずと言っていいほど矢面に立たされるゲームです。

この研究では、平均年齢約14歳の子ども約500人が集められ、そんな『グランド・セフト・オート』のプレイ頻度などがアンケート調査されました

10年という調査期間の開始時と終了時には、参加者それぞれの攻撃性に関する要因として「不安、抑うつ、向社会的行動(社会に利益をもたらす行動)」などが測定されました。

ここから子ども時代から成人後までのGTAのプレイ状況と、攻撃性の変化が比較されたのです。

ではその結果はどうなったのでしょうか?

次ページ暴力ゲームに対するプレイの傾向と成長後の影響

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