脳に電極アレイを埋め込み、触覚を得る手術

Chmielewski氏は四肢の麻痺により、手や指がわずかに動くだけで感覚もほとんどありません。
しかし、約2年前に臨床試験の一環としてジョンズ・ホプキンス病院で10時間にわたる脳外科手術を受けました。
この目的は、参加者が補助装置を制御し、脳の神経信号を使って物理的な刺激(触覚)を得られるようにするというもの。
実際、Chmielewski氏の脳には6つの電極アレイが埋め込まれ、手術後数か月以内に2つの義手を同時に制御することができました。さらに、僅かながら触覚のような感覚が得られたとのこと。

義手から脳にフィードバックされた触覚について、当時のChmielewski氏は「説明するのが難しいですが、それは脈拍や血圧のように感じました。その感覚は小さく、ピンや針で触っているかのようです」と述べていました。
この成果とChmielewski氏の進歩に感銘を受けた研究者たちは、さらに高度な研究に取り組むことにしました。