脳で2本のロボットアームを同時操作し、ケーキを食べる
そして最近、研究チームは人工知能・ロボット工学・ブレインマシンインターフェースを融合させた「クローズド・ループ・システム」を開発。
これによりChmielewski氏は脳から直接ロボットアームに指示を出し、食事できるほどの細かい作業が可能になりました。
実演ビデオには、ロボットアームがナイフとフォークを使ってケーキを切り、Chmielewski氏の口に運ぶ様子が記録されています。
ちなみに、2本のロボットアームの同時制御は、1本の腕を操作するよりもはるかに難しいと言われています。
研究チームによると、「脳が1本の腕を制御する作業を『1』とするなら、2本の腕を同時制御するために脳が行っていることは、単純な『1+1=2』ではなく『3.8』に相当する」とのこと。
さて、今回のテストでも大きな成功を収めた研究チームとChmielewski氏は、今後も更なる技術の向上を目指しています。
研究責任者でもあるTenore氏は、「作業中の感覚フィードバックをさらに追加することで、視覚に頼らなくても作業できるようにしたい」と述べています。
健常者が目を閉じたまま靴ひもを結べるのは優れた触覚のおかげですが、同じような感覚をChmielewski氏にも与えたいというのです。
今回の報告に含まれる「Chmielewski氏の頭にケーブルが繋がっている映像」は、私たちに強いインパクトを与えたのではないでしょうか。
しかし研究内容や将来性は見た目以上だと言えます。今後の進展にも大きく期待できるでしょう。