ついに系外惑星と特定!連星システムの中身も明らかに
系外惑星は、はくちょう座の方角に1800光年離れた「KOI-5」という連星システムの中にあります。
2009年時点で、ケプラーの「トランジット法」により、惑星らしき信号が検出されていました。
トランジット法とは、主星の前を惑星が横切ることで生じる光度変化をもとに系外惑星を探す手法です。
下がそのイメージになります。
しかしケプラーは、そのシグナルが実際の惑星のものなのか、あるいは周りの伴星によって作られた誤信号なのか判断できなかったのです。
それでも、2014年までに、「KOI-5」の連星システムが3つの星からなっていることが突き止められました。
その後、ケプラーの後継として2018年に打ち上げられた探査機・TESSにより、再び系外惑星らしきシグナルが見つかっています。
研究チームは、ケプラーとTESS、およびハワイのケック天文台の地上観測で得られたデータをもとに分析を行いました。
結果、シグナルは、土星の半分ほどのサイズの惑星と特定されたのです。
これは、分析で明らかになった「KOI-5」の3重連星システムです。
まず、KOI-5A、B、Cという3つの恒星があり、AとBはお互いを30年周期で公転しています。
Cはそこから離れた場所にあり、400年周期でAとBの周りを公転しています。
この中で、系外惑星はA星を5日周期で公転していることから、「KOI-5Ab」と名付けられました。
研究主任のデイビッド・シアルディ氏は「KOI-5Abの軌道面は、B星の軌道面とズレていることも判明しました。おそらく、B星の強い重力による影響でしょう」と話しています。
気になるのは、惑星と主星との距離および、主星Aの光の強さなどですが、そこまではまだ分かっていないとのこと。
KOI-5Abがほど良い距離と温度を保っていれば、生命体がいる可能性もありそうです。