もっとも初期の宇宙で発見されたクエーサー「J0313–1806」の想像図。
もっとも初期の宇宙で発見されたクエーサー「J0313–1806」の想像図。 / Credit: NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva
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「最古の超大質量ブラックホール」を観測! ビッグバンからわずか6億7千万年後に生まれていた

参考文献: ALMA  
2021.01.14 Thursday

130億年以上離れた、これまででもっとも遠方のクエーサーが発見されました

この記録破りのクエーサーについては、科学雑誌『Astrophysical Journal Letters』への論文掲載が決まっていて、第237回アメリカ天文学会でも発表されます。

非常に初期の宇宙で見つかるクエーサーの存在は、既存の超大質量ブラックホールの形成メカニズムに影響を与えるものです。

あまりに早く形成される超大質量ブラックホール

クエーサーとは、古い宇宙に見つかる非常に明るい天体のことです。

クエーサーの中心は超大質量ブラックホールで、これを動力にしてクエーサーを取り巻く銀河は猛烈な勢いで星々を生み出しています。

今回発見されたクエーサーは「J0313–1806」と名付けられています。

その中心にある超大質量ブラックホールは、太陽の16億倍の質量を持ち、天の川銀河全体の1000倍以上の明るさで輝いています。

発見された領域は、ビッグバンから6億7000万後の宇宙だと推定されており、これまで発見されていたもっとも古いクエーサーの記録をおよそ2000万年更新。

それにも関わらず、「J0313–1806」はその規模が2倍近く大きいのです。

このような非常に初期の宇宙に見つかる超大質量ブラックホールの存在は、それが形成されるための理論モデルに疑問を投げかけます。

超大質量ブラックホールとそれを取り巻く降着円盤。
超大質量ブラックホールとそれを取り巻く降着円盤。 / Credit:Wikipedia

従来の超大質量ブラックホールが形成されるメカニズムでは、主に2つのモデルが考えられていました。

第1のモデルは、初期宇宙では非常に巨大な星が誕生しており、それは巨大であるがゆえに短命で、短期間で崩壊して巨大なブラックホールを生み出していると考えられていました。

この巨大なブラックホールが合体していくことで、クエーサーとなるような超大質量ブラックホールが形成されるというのです。

第2のモデルでは、超大質量ブラックホールは、星の密集した集団(星団)が崩壊して生み出されると説明しています。

しかし、いずれのプロセスでも形成にはかなり長い時間を必要とします。

ビッグバンから7億年未満という期間内では、形成することは不可能です。

つまり、今回の発見は、こうした従来の2つの理論モデルを否定し、まったく異なるメカニズムから超大質量ブラックホールが形成されていることを示しているのです。

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