自然なVRである夢を安全にみるため動物は延髄に行動抑制装置をもっている
自然なVRである夢を安全にみるため動物は延髄に行動抑制装置をもっている / Credit:Canva
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「夢での行動が現実の肉体に反映されない仕組み」が解明される! フルダイブ型VRの実現に向けた大きな成果 (3/4)

2021.01.27 Wednesday

2021.01.17 Sunday

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意識があるのに体だけが眠ってしまう不思議な症状、カタプレキシー

カタプレキシーはナルコレプシー患者にみられる症状で突然体が脱力状態になってしまう
カタプレキシーはナルコレプシー患者にみられる症状で突然体が脱力状態になってしまう / Credit:筑波大学

ナルコレプシーは非常に危険な病気です。

症状が出ると突発的に眠ってしまうため、患者が電車や飛行機の運転に携わっている場合、大事故が起きてしまうからです。

しかしナルコレプシーには突発的睡眠以外にも、不思議な症状が知られていました。

感情が高まると(特に喜び)、全身の筋力が失われて脱力する「カタプレキシー」という現象です。

一見すると、睡眠時の行動異常とは関係がなさそうな病気ですが、今回、研究者たちはこのカタプレキシー(突発的脱力)が意識が目覚めているにもかかわらず「体」が突然眠ってしまう、睡眠障害の一種であると仮説をたてました。

仮説を証明するために、研究者たちは人為的にナルコレプシーを発症させたマウスのVMMに破傷風毒素を注いで神経伝達を破壊しました。

もし同じ睡眠障害であるならば、体を眠らせる(行動抑制信号を出す)延髄の神経回路(VMM)を破壊することで、体の睡眠(カタプレキシー)を防ぐことができるはずだからです。

実験を行った結果、ナルコレプシーを発症しているマウスから、カタプレキシーの症状が顕著に減少していることがわかりました。

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