脳は自分にかかわる情報に強い反応を示す
脳は自分にかかわる情報に強い反応を示す / Credit:Canva
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脳が自分にかかわる情報を「えり好み」して記憶する仕組みを解明!

2021.01.19 Tuesday
eurekalert https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-01/sfn-tbr011221.php

騒がしい人混みの中であっても、人間は自分の名前には即座に反応します。

この誰もが持つ「不思議な能力」は、雑多な情報をフィルタリングして、自身にかかわる内容を抽出・結合させる、特殊なフィルタリング(自己バイアス)によってうみだされます。

しかし自己バイアスがかかるのは聞き取りだけではありません。

1月18日に『Journal of Neuroscience』に掲載された研究によれば、脳の前頭葉には自分にかかわる情報を覚えやすくする別の自己バイアスをかける機能があるとのこと。

自分のことだと認識していた情報は、他者に関する情報よりも正確に記憶されていたのです。

誰でも身に覚えのある事実ではありますが、今回の研究のメインは別にあります。

研究者たちは人間の被験者の脳に直流電気を流すことで、この自己バイアスを解除することに成功したのです。

自己バイアスを狂わされた人間は、どうなってしまうのでしょうか?

自分にかかわる情報には前頭葉で自己バイアスがかかる

左のグラフはワーキングメモリを処理する頭頂部の領域、右のグラフは自己バイアスを制御する前頭野にあるVMPFC
左のグラフはワーキングメモリを処理する頭頂部の領域、右のグラフは自己バイアスを制御する前頭野にあるVMPFC / Credit:Journal of Neuroscience

人間は自分にかかわる情報には敏感です。

自己バイアスによって「自分」と関係があるとされた情報は、ワーキングメモリ(一時的な記憶)に強く残ると考えられているからです。

しかしながら、この自己バイアス機能がのどの領域で行われているかは、あまり知られていませんでした。

そこで研究者たちは自己バイアスの根拠地を調べるために「MRI」によって脳の活性度を測定することを思いつきます。

被験者たちはMRI内部で、地図上に示された自分自身とされた点と、実際の友人の名前を元にした点、そして全く知らない他人を示した点の場所を覚えるように指示され、その後どの程度覚えているかをテストされました。

マップ上に示された自分とリンクした点に反応する領域がある
マップ上に示された自分とリンクした点に反応する領域がある / Credit:Journal of Neuroscience

結果、自分自身とされた点についての記憶が形成されるときには、前頭葉にある腹内側前頭前野(略称 : VMPFC)が大きく活性化しており、最も速い反応につながりました。

またVMPFCとワーキングメモリの活動同期が多いほど、さらに応答時間の迅速化がみられました。

一方、興味深いことに、全く知らない他人に対する脳の活性度は、意味のない点よりも低くなりました。

この結果は、人間が「自分と無関係な人間」に対しては冷酷ともとれる、マイナスのバイアスをかけている可能性を示唆します。

ですが今回の研究で最も興味深い点は、この後に行われた記憶力の操作実験にありました。

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