強敵の存在で足が伸び、持久力がアップ!
チームは、2015、2016年にマングースの影響力が異なる各エリアを対象に、カエルの足の長さ(逃避能力にかかわる)と、持久力(ジャンプできる回数)を調べました。
足の長さはノギスを用いて、持久力は手持ち網の中で何回までジャンプできるかを計測しています。
その結果、マングースの影響が強い地域ほど、カエルの足は長くなり、ジャンプできる回数も多くなっていたのです。
これはカエルが、追跡型のマングースに応じて、わずか数十年の間に形態や身体能力を急速に発達させていることを示します。
また、調査を開始した時点で、島のマングースの大半が駆除されており、捕食の脅威は小さくなっているはずでした。
つまり、カエルの発達した性質は、天敵がいなくなってもすぐには消えず、子孫に受け継がれることがわかります。
このことから研究チームは「外来種の存在は、島嶼生物の身体能力を短期間のうちに変化させうる」と結論しました。
また、外来種との関係を新たな観点とすることで、他の多くの在来生物にも何らかの変化が見つかるかもしれません。
例えば、外来種の近くで問題なく共存している生物にも、逃避能力とは別の変化が起きている可能性があります。
研究チームは今後、外来種の影響をヒントに、生物進化の秘密を探っていく予定です。