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99%光を吸収する「闇の惑星」は何色なのか

2021.01.28 Thursday

2018.04.29 Sunday

Credit: Yuriy Mazur/Shutterstock
Point
・WASP-10bという系外惑星が97-99%の光を吸収することが判明
・雲や氷ができないことや、大気にナトリウムやカリウムを含むことが原因

地球から466光年離れた星に、木星サイズの惑星がまわっています。しかし、その色がどのようなものなのかは分かっていません。なぜなら、その惑星が今までに見つかった惑星の中でもトップクラスに暗いからです。“arXiv”誌に発表された研究によると、WASP-104bと呼ばれる惑星は木炭よりも暗く、恒星からの光を最高99%吸収します。

WASP-104B IS DARKER THAN CHARCOAL
https://arxiv.org/pdf/1804.05334.pdf

研究の著者であるキール大学のテオ・モクニック氏は、「この惑星は暗い惑星の中でもトップ5に入るだろう」と言います。モクニック氏はこの惑星の発見者ではありませんが、ケプラー宇宙望遠鏡のデータを精査することで、この惑星が驚くほど暗いことを突き止めました。もちろん直接この惑星を見ることはできませんが、恒星面を通過する時に光量が減少する現象や、惑星の重力で恒星がブレる現象を観察することで間接的に詳しく調べることが出来ます。

WASP-104bはホット・ジュピターと呼ばれる惑星に分類されます。これは、木星ほどの大きさを持ちながら、公転軌道が主恒星に非常に近いため、表面温度が高くなった惑星です。WASP-104bの公転周期は1.75日。恒星の重力による潮汐力で、月と同じように自転速度が公転速度と同調し、同じ面を恒星に向け続けます。

つまり、片面はいつも昼であるのに対して、反対の面はいつも夜なのです。夜の面が暗いのは直感的にわかります。昼の面が暗いのは、強すぎる太陽放射によって氷や雲が出来ないからだろうとのこと。氷や雲は光を反射するため惑星を明るくするだけでなく、光を吸収する表面を覆って、その効果を打ち消す事もできるのです。

WASP-104bの厚い大気はナトリウムやカリウムが豊富に含まれると考えられています。これらは、可視光の多くを吸収できます。その結果、この惑星は表面を照らす光の97-99%を吸収してしまうのです。実際は暗すぎてわからないのですが、地表まで光が届いたとして、その色は何色なのでしょうか。モニックは、おそらくは痣のような暗い紫、あるいは燃えさしのような赤ではないかとNew Scientist誌に述べています。

しかし466光年も離れた私たちが真実を知る日は、恐らく来ないでしょう。

「失われた惑星」存在の証拠を発見。太陽系にはもう一つ惑星があった?

via: Live Science/ translated & text by SENPAI

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