死者に成り代わって会話するチャットボット
死者に成り代わって会話するチャットボット / Credit:Depositphotos
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死者とコミュニケーションできるシステムをマイクロソフト社が開発、特許を取得 (2/2)

2021.01.31 Sunday

前ページ情報を収集して特定の人物に成り代わるチャットボット

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死者や有名人、架空の存在を作り出すことも可能

チャットボットの音声は、本人の肉声に近い合成音声で発せられます。これは、録音された本人の音声データから「音声フォント」が作られることによって達成されます。

また収集した本人の画像が二次元であったとしても、いくつかの写真から奥行き情報を抽出し、3次元画像として出力できるとのこと。

さらに様々なデバイスに対応しているので、ユーザーは携帯電話、パソコン、Alexa・Siriなどのパーソナルアシスタントを使って対話が可能です。

つまり、私たちは特定の人物に酷似したボットを作り上げ、いつでも会話を楽しめるのです。

仮に死者の情報を与えるなら、それは死者との疑似的な会話になることでしょう。それは愛する人からのリアルタイムで進行する想い出の手紙のようなものです。

生死・実在架空関わらず、類似した存在と会話できる
生死・実在架空関わらず、類似した存在と会話できる / Credit:Depositphotos

このアイデアは様々な方面に応用可能です。

自分のデジタルコピーを後世に残すこともできますし、親族以外の誰か、つまり「知人、有名人、歴史上の人物、架空の人物」あるいは、まったく「ランダムな存在」を作り上げることもできるでしょう。

ただし、新しいチャットボット技術は倫理的な問題を提起することになります。

情報さえあれば、生きている人であっても「本人に類似した存在」を構築可能です。つまり、「知らない誰かが構築された自分と毎晩会話している」という恐ろしい事態が起きかねないのです。

ディープフェイクなど出てきていますし、個人のデータ利用に対する明確な規定は今後必須になるでしょう。

既に新しいチャットボットシステムは公開されたので、私たちが「特定の誰かを作り上げて会話する」日は遠くないかもしれませんね。

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