人差し指が長いと「女性的」、薬指が長いと「男性的」な食を好む
2D:4D比(D=Digit、指)は、人差し指を2D(第2指)、薬指を4D(第4指)とし、その比率を割り出したものです。
専門的には、出生前のテストステロン(男性ホルモンの一種)への曝露率を示すバイオマーカーとして用いられます。
例えば、薬指の方が長ければ、母親の子宮内でにテストステロンにさらされた量が多く(男性的)、人差し指が長ければ、曝露量が低い(女性的)とされます。
本研究では、被験者216名(男女半数ずつで、平均年齢は27歳)を対象に、2D:4D比と食の好みの関連性が調べられました。
被験者には、他の被験者グループによって1〜7ポイント(1が女性的、7に近くほど男性的)で評価付けされた食品を提示し、「空腹時に」どれを食べるかを答えてもらっています。
男性的な食品には、ハンバーガーやフライドポテトといったファストフード、ステーキ、アルコール度数の高いお酒などが含まれ、女性的な食品には、サラダや魚介類、アルコール度数の低いワインなど、あっさりしたものが含まれます。
その結果、薬指が長い被験者は、本人の性別に関係なく、男性的な食品を好み、人差し指が長い被験者は女性的な食品を好むことが判明しました。
これは2D:4D比が示すテストステロンへの曝露量と対応した結果になっています。
一方で、2D:4D比に対応した結果が出るのは、被験者が空腹時であるときのみで、お腹が満たされていると、被検者の多くが女性的な食品を好んで選択しました。
満腹時にガッツリしたものはふつう食べないので、当然と言えるかもしれません。
研究主任のTobias Otterbring氏は「これらの知見は、出生前の男性ホルモンへの曝露がいかに食べ物の好みに影響を与えるか、また、空腹レベルが食品の選択をどのように変えるかを理解するのに役立つ」と述べています。
ただ、本研究の1つの限界は、空腹レベルが被験者の主観的な自己申告を採用したものであり、これは信頼性に欠けていた可能性があります。
Otterbring氏は「より客観的なツールを用いて、結果の正確性を検証していきたい」と話しています。