人間の体液に反応して硬化することで、体内に骨が直接作られる
研究チームは、骨の形成と維持に必要なミネラルであるリン酸カルシウム溶液に患者の生きた骨細胞を入れ、人工骨の素となる「バイオインクゲル」を作成。
このバイオインクゲルは、体液にさらされると数分で硬化し、天然の骨組織の構造と同様の多孔質ナノ結晶構造を形成するとのこと。
実際にテストでは、最大5mm立方体の骨構造を、ヒト細胞を含むゼラチンの中で3Dプリントすることに成功しました。
プリントされた骨組織は、生きた細胞をその構造に組み込み、数週間後には95%の生存率で付着および増殖したとのこと。
ルーハニ氏は、「この技術は、外傷や癌によって引き起こされた骨欠損をその場で修復したり、大きな組織を切除した場合の治療に利用したりできる」と述べています。
現在、骨を修復する一般的な方法は、患者自身の別の部位から骨を採取し、それを移植するというもの。
しかし、この方法は感染率が高く、必要な骨材料の量が多すぎると機能しません。
そのため、新しく開発された3Dプリント技術は、骨修復の可能性を大きく広げることになるでしょう。
研究チームは現在、より大きなサンプルをプリントする予定であり、骨修復のための小動物実験も開始しています。