母サソリは子供を背中に乗せる
母サソリは子供を背中に乗せる / Credit: vegasfamilyevents
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母サソリの「おんぶ習性」は、子どもにとって天国でも地獄でもある(ムシ注意)

2021.02.08 Monday

Baby Scorpions Get a Free Ride on Mom’s Back, Unless She Decides to Eat Them https://www.sciencealert.com/til-baby-scorpions-ride-around-on-their-mums-back-and-i-m-both-impressed-and-terrified

母サソリは、子どもたちを「おんぶ」する習性があります。

生まれたばかりの子どもにとって母親の背中は、野生下で最も安全な場所です。

しかし同時に、恐ろしい悲劇が起こる場所でもあるのです。

母親の背中は「天国」か「地獄」か?

サソリはパートナーと交尾をするとき、互いのハサミをつかみ、押し相撲をしながらクルクル回転する儀式めいた行動をとります。

これは「婚姻ダンス」と呼ばれ、メスはオスの力強さをテストし、オスは自分が丈夫であることを示しつつ、メスを交尾に適した場所に誘導する儀式です。

婚姻ダンスは長ければ数時間続くことがあり、もし相性が悪いと判断されれば、どちらかが一方を殺してしまいます。

大抵はメスがオスを一方的に食べてしまうそうです。

1枚目の画像

しかし、オスがメスのテストに合格すれば、すぐさま交尾をして、その後は互いに別々の道を歩みます。

ただし、メスがオスを食べない限りは。

専門家によると、交尾成立後にメスがオスを食べるのは飼育下がほとんどで、これはオスの逃げ場がないからとされます。

実際、野生下での共食いはあまり見られません。

オスはことが済んだら、すぐその場を後にし、子育てはすべてメスに託します。

サソリの恋は、すべて行きずりなのですね。

ちなみに、サソリの中には、交尾をせずに単為生殖で子孫を残せる種もいますが、これは遺伝的なバリエーションが増えないため、種の存続にはあまり得策と言えません。

また、母サソリが、子どもを産むまでには長くて18ヶ月ほどかかります。

これはサソリの子が、卵ではなく生きた状態で生まれるため、比較的長い妊娠期間を要するからです。

苦労の末に生まれた子どもたちは、外骨格が柔らかく皮膚もぷにぷにの状態なので、一人歩きをすれば簡単に捕食されてしまいます。

そこで、保身のために母親の背中に登り、最初の脱皮と外骨格が固まるまでそこに滞在します。

バークスコーピオン
バークスコーピオン / Credit: Desert Museum/ZooBorns
ダイオウサソリ
ダイオウサソリ / Credit: Elmwood Park Zoo

その期間は、短くて1週間、長くて2週間ほどです。

しかし、母親の背中も安全とは言いきれません。

なぜなら、母サソリはお腹が空くと、スナック感覚で背中の子どもを食べてしまうからです。

これを生き延びることができたサソリだけが、自然界に独り立ちできます。

母親の背中は、子どもにとって天国とも地獄ともなりうるのです。

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